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SSB High Availability画面例 |
螺子です。今回の記事はSSBのノードをHA(High Availability)構成※でセットアップする方法について紹介します。
HA(High Availability)、日本語では高可用性とも言われています。こう聞くと「設定が難しいのでは?」と思われるかもしれませんが、SSBのノードをHA(High Availability)構成※でセットアップするには、SSBのWeb I/Fで数ステップで設定可能です。
※ SSBのHA機能は、ハードウエアアプライアンスのみの機能です。バーチャルアプライアンスでは利用できません。
※ HAライセンスオプションが必要になります。バーチャルアプライアンス、あるいはHAライセンスオプションがない物理SSBアプライアンスの場合、[Basic Settings]>[High Availability]メニューは表示されません。
SSBのHA構成は、プライマリーおよびセカンダリーノードで構成され、プライマリーノードの異常時にセカンダリーノードがアクティブになり、ログ受信などの機能を引き継ぎ(テークオーバー)ます。
前提条件
- ハードウェアアプライアンスに同一バージョンのSSBをインストールします。
- HA I/Fのケーブルをネットワークに接続し、お互いのノードが通信できる状態にします。
手順
それでは、早速2台のSSBノードをHA構成で構築してみましょう。
- プライマリーノードとなる1台目のSSBを起動します。
- [Basic Settings]>[High Availability]に移動します。プライマリーノードが起動し[This node]に表示されます。
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図1 High Availability画面1 |
- セカンダリーノードとなる2台目のSSBを起動します。セカンダリーノードが起動し[Other node]に表示されます。
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図2 High Availability画面2 |
- この時点では、HAの状態[Status]がSTANDALONE状態です。
- [Convert to Cluster]をクリックします。確認メッセージが表示されるので[OK]をクリックします。
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図3 クラスターコンバート確認メッセージ |
- クラスターへのコンバートに成功すると、HA構成を有効にするには両ノードをリブートする必要がある旨のメッセージが表示されます。[OK]をクリックします。
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図4 リブートを要求するメッセージ |
- SSBの各ノードがクラスターとして構成されます。必要に応じで冗長I/F(Heartbeat, Next hop monitoring)を設定します。これらの設定は後で変更できます。
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図5 High Availability画面3 |
- この時点では、HAの状態[Status]がCONVERTED状態です。
- [Reboot Cluster]をクリックします。確認メッセージが表示されるので[OK]をクリックします。
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図6 [Reboot Cluster]の確認メッセージ |
- 両ノードのリブート処理が開始されます。
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図7 両ノードのリブート処理のメッセージ |
- 両ノードがリブートするので、しばらく待ちます。リブート中はSSBへのセッションが切れるのでブラウザの画面が空白になります。
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図8 両ノードのリブートの確認 |
- 両ノードがリブートするまで待った後、再度、SSBにアクセスします。
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図9 High Availability画面4 |
- HAの状態[Status]がDEGRADED SYNC状態となり、両ノード間で同期が開始されます。同期はディスク容量などに応じて時間がかかります。
- HAの状態については、[System monitor]でも確認することができます。
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図10 System monitor画面 |
- 同期が完了し、HAが正常に動作(冗長I/Fを含む)すると、各ステータスが以下のようになります。
- [Status]: HA
- [Redundant Heartbeat status]: OK
- [DRBD Status]: Connected – Connected, Connected
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図11 High Availability画面5 |
- 最後に、セカンダリーノードのネットワークI/F(外部I/F、および必要に応じて管理I/F)にLANケーブルを接続することを忘れないでください。テークオーバーが発生した場合、これらのI/Fから通信(ログ受信を含む)が開始されます。
テークオーバーの実行
ここでは、プライマリーノードを明示的にシャットダウンします。セカンダリーノードがテークオーバーしアクティブ(プライマリー)になります。
- [Basic Settings]>[High Availability]>[This node]で[Shutdown]をクリックして、プライマリーノードをシャットダウンします。
- セカンダリノードがテークオーバーし、アクティブ(プライマリー)になります。
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図12 High Availability画面6 |
- セカンダリーノードがテークオーバーしアクティブ(プライマリー)になり、ログ受信を再開します。以下の例は、メッセージをUDPで500msg/sで送信し、テークオーバー時にログの受信が停止し、受信を再開した時間をSSBの検索画面で表示しています。ここでは、15:26:46にログ受信が停止し、15:27:18にログ受信を再開しています。ログ受信再開まで約32秒※です。
 |
図13 ログ受信再開の確認例 |
※ テークオーバーし、ログを再受信可能になる時間はスイッチなどのネットワーク環境に応じて異なります。
- HAの状態が変化した場合、以下のようなアラートログが発生※(デフォルトでは”local”ログスペースに保存)します。検索式”program:ssb/check-ha“で検索できます。
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図14 HAクラスターノード状態変更アラートログ例 |
Notification received: XCB-SNMP-MIB::xcbHaNodeChanged
DISMAN-EVENT-MIB::sysUpTimeInstance 60766
SNMPv2-MIB::snmpTrapOID.0 XCB-SNMP-MIB::xcbHaNodeChanged
XCB-SNMP-MIB::description HA state changed; old_state='ha', new_state='degraded'
図15 HAクラスターノード状態変更アラートメール例
※ アラートログをメールまたはSNMPトラップ送信するには、[Basic Settings]>[Alerting & Monitoring]ページで[HA node state changed]を有効にします。適宜、メール設定([Basic Settings]>[Management]>[Mail settings])およびSNMPトラップ設定([Basic Settings]>[Management]>[SNMP trap settings])が必要です。
参考資料
詳細については、各ドキュメントの以下の章をご覧ください。
syslog-ng StoreBox 6LTSインストールガイドの「3.2 2つのSSBユニットをHAモードでのセットアップ」
syslog-ng Store Box6 LTS管理者ガイド:
- 「2.7 SSBのHA(High availability)サポート」
- 「2.8.1 ファームウェアとHA」
- 「6.2 HA SSBクラスターの管理」
- 「16.5 SSBクラスターのトラブルシューティング」
いかがでしたでしょうか?
簡単にSSBをHA構成で構築できましたね。
それでは、次回の連載記事をお楽しみに!
SSBは、高信頼ログ管理アプライアンスです。様々なデバイスおよびアプリケーションからログメッセージを収集、分類、フィルタリング、正規化して安全に保存可能です。ログデータの信頼性を担保し、膨大なログが発生する高負荷環境、あるいはログロストが許されない企業・組織のログ管理に最適です。
syslog-ng Store Boxについての詳細は、製品紹介ページ・製品ガイドをご参照ください。
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