この記事では、バッファローの法人向けNAS:TeraStationを「PRTG」で監視する方法をご紹介します。
文:ジュピターテクノロジー やすだ
はじめに
ネットワーク監視ソフトウェアPRTG Network Monitor (PRTG)とバッファローTeraStationシリーズは相互動作確認済みです。PRTGはTeraStationを監視するための専用機能を標準搭載しています。PRTGなら自動検出するだけでTeraStationの正常性、アレイやS.M.A.R.T.情報、各種リソースをかんたんに監視できます。TeraStationとPRTGの設定方法と実際の監視画面を紹介していきます。
TeraStationのSNMP有効化
PRTGでTeraStationを監視するためにはTeraStationのSNMP機能を有効化する必要があります。
TeraStationのSNMP有効化手順
TeraStation の Web GUI にログイン。[ネットワーク] -> 「SNMP」の歯車アイコンをクリックして SNMP 設定画面へ
[編集]をクリックして各項目を下記画像のように設定[OK]をクリック※SNMP コミュニティー名はデフォルトの「TeraStation」としています。
「SNMP」のスイッチをオンにする(青にする)
SNMP有効化は完了です。
PRTGでの監視設定
PRTGでTeraStationをデバイス(監視対象機器)として登録し、センサー(監視項目)を自動検出します。
デバイスとセンサーの自動検出手順
PRTGのWeb GUIにログインし「デバイスの追加」をクリック
デバイスを追加する位置を指定して[OK]をクリック
新規デバイスの追加画面で情報を入力「デバイス名とアドレス」デバイス名:任意の名IPv4 アドレス/DNS 名:TeraStation の IP アドレス
少し下部にスクロールし、「デバイスの識別と自動検出」で以下をチェック
〇特定デバイステンプレートを使用した自動検出
表示されたデバイステンプレート一覧から以下の2項目をチェック□Buffalo TeraStation NAS□一般的なデバイス(Ping 監視のみ)
さらに下部にスクロールし、「SNMP デバイスの資格情報」で以下を入力引継ぎ元:チェックを外す
※上位オブジェクトに設定して引継ぐことも可能。詳細は PRTG マニュアルを参照。SNMP バージョン:〇v2c(推奨)を選択コミュニティ文字列:TeraStation
[OK]をクリック 自動検出が実行され、センサーが自動的に追加、監視開始
PRTGのセンサーでTeraStationを監視できるようになりました。
PRTGのセンサーでTeraStationを監視できるようになりました。
追加されたセンサー(監視項目)
今回は以下のセンサーが追加されました。
- Buffalo TeraStation システム正常性
- TeraStation Array・TeraStation Disk
- SNMP トラフィック
- SNMP CPU の負荷
- SNMP Linux の負荷平均
- SNMP Linux メモリ情報
- Ping
アンダーラインを引いた3種類のセンサーはTeraStationのプライベートMIB内容を元に作成されています。PRTGはTeraStationの監視機能が標準搭載されてるため、MIBファイルのインポートなど特別な作業は必要ありません。他にも一般的なリソース、それにPingでの死活監視のセンサーが自動作成されました。
TeraStationプライベートMIB内容のセンサー紹介
追加されたセンサーのうちプライベートMIB内容を監視するセンサーを紹介します。
・Buffalo TeraStation システム正常性
TeraStation のシステム全体を監視します。各チャネルではエラーや警告の発生数、CPU とメモリの使用状況、フェイルオーバー、ファームウェア、稼働時間などを監視
例えば、バックアップ失敗の場合はセンサーが警告ステータスに変化します。
・TeraStation Array
RAID Array の状態、使用状況などを監視します。Array ごとにセンサーが自動作成されます。使用率には閾値が設定済みで、超過するとセンサーステータスが変化します。
・TeraStation Disk
S.M.A.R.T を元にしたドライブの状態、使用状況を監視します。ドライブごとにセンサーが自動作成されます。エラーや警告に応じてセンサーステータスが変化するように設定済みです。
TeraStationの設定と使用状況によってはLVM、iSCSIのボリュームを監視するセンサーも自動作成されます。
参考:SNMPトラップ監視
自動検出はされませんが、「SNMP トラップレシーバー」センサーを手動追加すれば、TeraStationからのSNMPトラップを受信できます。SNMP トラップレシーバーセンサーについては弊社PRTG情報発信サイトのセンサー紹介をご参照ください。
おわりに
PRTGはTeraStation監視専用機能を標準搭載しているため、自動検出するだけでバッファローのMIB内容を含む監視を簡単に設定することができました。さらに詳細な手順は弊社PRTG専門情報発信サイトで資料として公開しています。こちらもご参考にしてください。PRTGでTeraStationを監視する PRTGは他にも様々なベンダー監視専用機能を標準搭載しています。標準搭載していないベンダー機器もカスタムセンサーで監視可能です。マルチベンダー環境をPRTGで一元的に監視してみませんか?