『PRTG Network Monitor』で富士通PRIMERGYサーバーを監視する【2022年版】

本記事は2019年8月8日に公開したものをアップデートしたものです。

PRIMERGY RX2530 M6

この記事では富士通株式会社「FUJITSU Server PRIMERGY」を「PRTG Network Monitor」で監視する方法を紹介します。
文:ジュピターテクノロジー やすだ
※この記事に掲載されている商品またはサービスの名称等は、各社の商標または商標登録です。

はじめに

ネットワーク監視ソフトPRTG Network Monitor(PRTG)は富士通「PRIMERGY」監視専用のセンサー(組み込み済み監視機能)とSNMPトラップを監視するセンサーを標準搭載しています。センサーを選ぶだけでPRIMERGYを監視できます。

「SNMP Fujitsu システム正常性 v2」センサーはiRMC(Remote Management Controller)を介してCPU、メモリ、電源、温度などのハードウェアコンポーネントのステータスを監視できます。また「SNMP トラップレシーバー」センサーはiRMCからのSNMPトラップを受信して監視できます。

※iRMCは、PRIMERGYに標準搭載されているサーバー管理機能です。

PRTGで富士通「PRIMERGY」を監視するメリット

かんたんに監視を始めることができる

iRMCのSNMP機能を有効にし、センサーを選ぶだけでかんたんに監視を始めることができます。「SNMP Fujitsu システム正常性 v2」センサーならPRIMERGYのMIBファイルを調査する必要すらありません。

サーバーやネットワーク機器を一元管理できる

各ベンダーはベンダー独自の管理ツールを用意している場合があります。しかし、マルチベンダー環境で各ベンダー管理ツールを併用すると、監視運用が煩雑になります。
マルチベンダー対応のPRTGで各ベンダー機器を一元的に監視することで運用負荷を軽減できます。

PRTGの富士通PRIMERGYサーバー監視画面

PRTGはセンサー(定義済み監視項目)で監視を行います。センサーを選んで追加するだけで監視できます。

「SNMP Fujitsu システム正常性 v2」センサー

「SNMP Fujitsu システム正常性 v2」センサーを追加すると次のようなハードウェアコンポーネントのステータスを監視できます。異常を検知したセンサーは「赤」や「黄」に変化してアラートを表示します。

  • ハードウェアコンポーネント全体
    (CPU、ファン、メモリ、温度、電源、電圧のステータスを含むサーバーの全体ステータス)
  • メモリモジュール
  • 電源
  • RAIDコントローラー
  • RAIDエージェント
  • CPU
  • 物理ディスク
  • 論理ディスク
  • バッテリー

一例を画像で紹介します。

※監視できる内容は機器のハードウェア構成によって異なります。

ハードウェアコンポーネント全体

CPU、ファン、メモリ、温度、電源、電圧のステータスを含むサーバー全体のステータスを監視

センサー画面

メモリモジュール

メモリモジュールごとにステータスを監視

センサー画面

電源の冗長化

電源の冗長化ステータスを監視

センサー画面

RAIDコントローラー

センサー画面

物理ディスク

センサー画面

「SNMP トラップレシーバー」センサー

「SNMP トラップレシーバー」センサーを追加すると、iRMCからのSNMPトラップを受信、監視できます。SNMPトラップレシーバーセンサーの詳細は弊社PRTG情報発信サイトのセンサー紹介資料をご参照ください。

トラップレシーバーセンサーのメッセージ画面

監視手順

ここからPRTGでPRIMERGYを監視する手順を説明します。※手順詳細は弊社PRTG情報発信サイトの手順書をご参照ください。

PRIMERGYのiRMCでSNMPを有効化

PRTGでPRIMERGYを監視するためにPRIMERGYのiRMCでSNMPを有効化します。※iRMC設定詳細はメーカーマニュアルをご参照ください。

本記事ではiRMCのGUIで以下を設定しました。

[サービス]のSNMP欄を次のように設定
SNMPを有効にする:✓(チェックを入れる)
SNMP設定
  SNMPポート:161
  SNMPプロトコル:全て(SNMPv1/v2c/v3)
  SNMPコミュニティ:public(デフォルト設定)
SNMPトラップ送信先
  SNMPコミュニティ:public(デフォルト設定)
  SNMPユーザ:SNMPv3ユーザなし
  エンジンID:(デフォルトのまま)
  SNMPトラップサーバー1:<PRTGのIPアドレス> プロトコル:SNMPv1
iRMC[サービス]のSNMPタブ画面

PRTGでiRMCをデバイス登録

PRTGは監視対象機器をデバイス(監視対象)として追加して監視を行います。iRMCのIPアドレスをPRTGのデバイスとして追加します。

PRTGのWeb GUIで次の操作を行います。

  • 「+」アイコン|[デバイスの追加]をクリック
  • デバイスを登録する場所を選択して[OK]をクリック
  • 「新規デバイスの追加」画面で以下を入力して[OK]をクリック
    ・デバイス名:<任意のデバイス名>
    ・IPV4 アドレス/DNS 名:<iRMCのIPアドレス>
    ・「SNMP デバイスの資格情報」のチェックを外し、iRMCのSNMP設定と一致させる
PRTG Web GUIデバイスツリー画面
新規デバイスの追加画面:デバイス名とアドレス
新規デバイスの追加画面:SNMPデバイスの資格情報

センサーを選んで追加

PRTGはセンサー(定義済み監視項目)をデバイスに追加して監視を行います。

「SNMP Fujitsu システム正常性 v2」センサーを追加

「SNMP Fujitsu システム正常性 v2」センサーを追加します。

PRTGのWeb GUIで次の操作を行います。

  • デバイスの[センサー追加]をクリック
  • 「センサーの追加」画面で検索欄に「fujitsu」と入力
  • 「SNMP Fujitsu システム正常性 v2」をクリック
  • ハードウェアコンポーネント一覧から監視するコンポーネントをチェック
  • [作成]をクリック
PRTG Web GUIデバイスツリー画面
センサーの追加ウィザード画面
監視可能コンポーネント一覧から監視したい項目をチェックする

チェックした項目ごとに「SNMP Fujitsu システム正常性 v2」センサーが作成されます。

「SNMP トラップレシーバー」センサーを追加

「SNMP Fujitsu システム正常性 v2」センサーと同様です。PRTGのWeb GUIで次の操作を行います。

  • デバイスの[センサー追加]をクリック
  • 「センサーの追加」画面で検索欄に「トラップ」と入力
  • 「トラップレシーバー」をクリック
  • [作成]をクリック

「SNMP トラップレシーバー」センサーの詳細は弊社PRTG専門情報発信サイトのセンサー紹介資料をご参照ください。

まとめ

PRTGのセンサーで「PRIMERGY」サーバーのハードウェアコンポーネントステータスとSNMPトラップメッセージをiRMC経由で監視することができました。詳細な手順は弊社PRTG専門情報発信サイトで公開しています。また、本検証は富士通株式会社の検証事例ページにもご掲載いただきました。
PRTGは他にもサーバー、ネットワーク機器、仮想環境、クラウドまで、すべてを一元監視できます。
トライアル版、フリー版もございます。オールインワンネットワーク監視PRTGをぜひお試しください。

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