本記事は2019年8月8日に公開したものをアップデートしたものです。
この記事では富士通株式会社「FUJITSU Server PRIMERGY」を「PRTG Network Monitor」で監視する方法を紹介します。
文:ジュピターテクノロジー やすだ
※この記事に掲載されている商品またはサービスの名称等は、各社の商標または商標登録です。
はじめに
ネットワーク監視ソフトPRTG Network Monitor(PRTG)は富士通「PRIMERGY」監視専用のセンサー(組み込み済み監視機能)とSNMPトラップを監視するセンサーを標準搭載しています。センサーを選ぶだけでPRIMERGYを監視できます。
「SNMP Fujitsu システム正常性 v2」センサーはiRMC(Remote Management Controller)を介してCPU、メモリ、電源、温度などのハードウェアコンポーネントのステータスを監視できます。また「SNMP トラップレシーバー」センサーはiRMCからのSNMPトラップを受信して監視できます。
※iRMCは、PRIMERGYに標準搭載されているサーバー管理機能です。
PRTGで富士通「PRIMERGY」を監視するメリット
かんたんに監視を始めることができる
iRMCのSNMP機能を有効にし、センサーを選ぶだけでかんたんに監視を始めることができます。「SNMP Fujitsu システム正常性 v2」センサーならPRIMERGYのMIBファイルを調査する必要すらありません。
サーバーやネットワーク機器を一元管理できる
各ベンダーはベンダー独自の管理ツールを用意している場合があります。しかし、マルチベンダー環境で各ベンダー管理ツールを併用すると、監視運用が煩雑になります。
マルチベンダー対応のPRTGで各ベンダー機器を一元的に監視することで運用負荷を軽減できます。
PRTGの富士通PRIMERGYサーバー監視画面
PRTGはセンサー(定義済み監視項目)で監視を行います。センサーを選んで追加するだけで監視できます。
「SNMP Fujitsu システム正常性 v2」センサー
「SNMP Fujitsu システム正常性 v2」センサーを追加すると次のようなハードウェアコンポーネントのステータスを監視できます。異常を検知したセンサーは「赤」や「黄」に変化してアラートを表示します。
- ハードウェアコンポーネント全体
(CPU、ファン、メモリ、温度、電源、電圧のステータスを含むサーバーの全体ステータス) - メモリモジュール
- 電源
- RAIDコントローラー
- RAIDエージェント
- CPU
- 物理ディスク
- 論理ディスク
- バッテリー
一例を画像で紹介します。
※監視できる内容は機器のハードウェア構成によって異なります。
ハードウェアコンポーネント全体
CPU、ファン、メモリ、温度、電源、電圧のステータスを含むサーバー全体のステータスを監視
メモリモジュール
メモリモジュールごとにステータスを監視
電源の冗長化
電源の冗長化ステータスを監視
RAIDコントローラー
物理ディスク
「SNMP トラップレシーバー」センサー
「SNMP トラップレシーバー」センサーを追加すると、iRMCからのSNMPトラップを受信、監視できます。SNMPトラップレシーバーセンサーの詳細は弊社PRTG情報発信サイトのセンサー紹介資料をご参照ください。
監視手順
ここからPRTGでPRIMERGYを監視する手順を説明します。※手順詳細は弊社PRTG情報発信サイトの手順書をご参照ください。
PRIMERGYのiRMCでSNMPを有効化
PRTGでPRIMERGYを監視するためにPRIMERGYのiRMCでSNMPを有効化します。※iRMC設定詳細はメーカーマニュアルをご参照ください。
本記事ではiRMCのGUIで以下を設定しました。
[サービス]のSNMP欄を次のように設定 SNMPを有効にする:✓(チェックを入れる) SNMP設定 SNMPポート:161 SNMPプロトコル:全て(SNMPv1/v2c/v3) SNMPコミュニティ:public(デフォルト設定) SNMPトラップ送信先 SNMPコミュニティ:public(デフォルト設定) SNMPユーザ:SNMPv3ユーザなし エンジンID:(デフォルトのまま) SNMPトラップサーバー1:<PRTGのIPアドレス> プロトコル:SNMPv1
PRTGでiRMCをデバイス登録
PRTGは監視対象機器をデバイス(監視対象)として追加して監視を行います。iRMCのIPアドレスをPRTGのデバイスとして追加します。
PRTGのWeb GUIで次の操作を行います。
- 「+」アイコン|[デバイスの追加]をクリック
- デバイスを登録する場所を選択して[OK]をクリック
- 「新規デバイスの追加」画面で以下を入力して[OK]をクリック
・デバイス名:<任意のデバイス名>
・IPV4 アドレス/DNS 名:<iRMCのIPアドレス>
・「SNMP デバイスの資格情報」のチェックを外し、iRMCのSNMP設定と一致させる
センサーを選んで追加
PRTGはセンサー(定義済み監視項目)をデバイスに追加して監視を行います。
「SNMP Fujitsu システム正常性 v2」センサーを追加
「SNMP Fujitsu システム正常性 v2」センサーを追加します。
PRTGのWeb GUIで次の操作を行います。
- デバイスの[センサー追加]をクリック
- 「センサーの追加」画面で検索欄に「fujitsu」と入力
- 「SNMP Fujitsu システム正常性 v2」をクリック
- ハードウェアコンポーネント一覧から監視するコンポーネントをチェック
- [作成]をクリック
チェックした項目ごとに「SNMP Fujitsu システム正常性 v2」センサーが作成されます。
「SNMP トラップレシーバー」センサーを追加
「SNMP Fujitsu システム正常性 v2」センサーと同様です。PRTGのWeb GUIで次の操作を行います。
- デバイスの[センサー追加]をクリック
- 「センサーの追加」画面で検索欄に「トラップ」と入力
- 「トラップレシーバー」をクリック
- [作成]をクリック
「SNMP トラップレシーバー」センサーの詳細は弊社PRTG専門情報発信サイトのセンサー紹介資料をご参照ください。
まとめ
PRTGのセンサーで「PRIMERGY」サーバーのハードウェアコンポーネントステータスとSNMPトラップメッセージをiRMC経由で監視することができました。詳細な手順は弊社PRTG専門情報発信サイトで公開しています。また、本検証は富士通株式会社の検証事例ページにもご掲載いただきました。
PRTGは他にもサーバー、ネットワーク機器、仮想環境、クラウドまで、すべてを一元監視できます。
トライアル版、フリー版もございます。オールインワンネットワーク監視PRTGをぜひお試しください。