この記事ではネットワーク監視ソフトウェア「PRTG」と株式会社パトライトの音声対応ネットワーク制御信号灯「NHVシリーズ」を連携し、検知したエラーを光と音声で報知する方法を説明します。
従来の光と音だけではなく「どこでどんなエラーが発生したか」を自動的に音声合成し、音声で報知できます。
文:ジュピターテクノロジー やすだ
※この記事に掲載されている商品またはサービスの名称等は、各社の商標または商標登録です。
はじめに
パトライト製「NHVシリーズ」(以降、警告灯NHVと略記)は光と音・音声を報知できるネットワーク制御信号灯です。ネットワーク監視ソフトウェア「PRTG Network Monitor(以降、PRTGと略記)」が検知したネットワークのエラーを光と音で報知できます。
PRTGと最新の警告灯NHV(2022年7月現在)の組み合わせなら、PRTGが検知したエラー内容を自動的に音声合成し、音声で報知することもできます。
まずは動画をご覧ください!
「東京本社、ファイルサーバー、ダウンが発生~」
PRTGが検知したエラーを警告灯NHVが音声で報知しています。これは事前に録音した音声を再生しているわけではありません。
PRTGが検知したエラー情報から、警告灯NHVが音声を自動的に合成しています。
PRTGは検知したエラーに応じて「<どこで>、<どの監視対象に>、<何が起こったのか>」などの情報を警告灯NHVに送ることができます。そのため、エラー内容を的確に表現した自動音声合成アラートが可能になっています。
音声合成アラートのメリット
自動音声合成なら、管理者が最初に知りたいアラート内容を瞬時に判断できます。従来からの光と音による報知でも、使いわけ次第で内容を判断できます。しかし使い分けパターンが限られるため、音声合成の情報量にはかないません。
「一分一秒を争う対応が必要なエラーなのか?」それとも「経過観察でじゅうぶんなエラーなのか?」を音声から瞬時に判断できることは、管理者の負荷軽減になるでしょう。
設定手順
それでは実際に警告灯NHVとPRTGに必要な設定を見ていきます。詳細な手順は弊社PRTG情報発信サイトの手順書を参照してください。
警告灯NHVの設定
HTTPコマンド制御を有効化
音声対応ネットワーク制御信号灯を制御するために「HTTPコマンド制御」を有効化します。
・ 警告灯NHVのWeb GUIにログインし、本体設定|機能の有効化|本体機能設定
「HTTPコマンド制御」のラジオボタンをクリックして「有効」にする
・ 「設定」をクリックして保存
警告灯NHVの準備はこれで完了です。
PRTGの設定
PRTGの通知機能「HTTP アクション実行」で警告灯NHVにエラー情報を送信します。
通知テンプレートの作成
PRTGのWeb GUIにログインし、メインメニューバー「設定」|アカウント設定|「通知テンプレート」で警告灯NHV用の通知テンプレートを新規追加します。
通知テンプレートを次のように設定します。
テンプレート名を設定し、
「HTTPアクション実行」のラジオボタンをチェック
「URL」に次の内容を設定
http://<警告灯NHVのIPアドレス>/api/control?&speech=%group。%device。%statusが発生。&repeat=255&led=19999
「URL」の設定が警告灯NHVを動作させるコマンドとパラメーターです。
コマンド「speech=」以降のテキストが音声合成する内容になります。
このテキストにPRTGのプレースホルダー「%group」、「%device」、「%status」を設定しています。プレースホルダー部分は、アラートを実際にトリガーしたセンサーの「グループ名」、「デバイス名」、そして「センサーの状態」を表すテキストとして自動置換されます。
そのため「<どこで>、<どの監視対象に>、<何が起こったのか>」を警告灯NHVに送ることができます。
コマンド「led=」は警告灯NHVの点灯色を指定しています。ここでは赤ランプのみ点灯する設定にしています。
警告灯NHV用の通知テンプレートが作成できました。次の手順でこの通知テンプレートを通知トリガーに設定します。
通知テンプレートを通知トリガーに設定
PRTGのWeb GUIにログインし、「デバイス」タブ|「通知トリガー」タブをクリックしてルートオブジェクトの通知トリガー画面に移動します。
「+」アイコン|「ステータストリガーの追加」をクリックしてステータストリガーを新規追加します。
新しいステータストリガーを次のように設定します。
継続して 0 秒以上、センサーのステータスが ダウン の場合、<警告灯NHV用の通知テンプレート> を実行する
これで、PRTGが検知したすべてのエラーを警告灯NHVが音声報知し、同時に赤ランプが点灯するようになりました。
従来の光と音の報知設定方法について
音声合成が不要な場合は、光と音で警告灯NHVを鳴動させることができます。
警告灯NHVは旧シリーズの鳴動方法との互換性が担保されています。そのため、すでにPRTGとパトライト製信号灯を連携させている場合は、既存の設定(SNMP トラップ、HTTPアクション実行)でそのまま動作します。手順書では従来の報知方法設定手順も紹介しています。
まとめ
「PRTG」とパトライト製音声対応ネットワーク制御信号灯の連携で、ネットワークに発生したエラーを音声で報知できます。音声には「<どこで>、<どの監視対象に>、<何が起こったのか>」を含むことができ、管理者の監視負荷を軽減できます。
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