前回の記事では、SCALUS というアプリケーションを使用して、リモートセッションを効率よく開始する方法を紹介しました。
SCALUS には、ssh セッション用のアプリケーションとして OpenSSH と Putty が事前定義されていますが、日本でよく利用されている Tera Term は事前定義されていません。
今回は、SCALUS に Tera Term を登録し、SPP の Web GUI から ssh セッションを Tera Term で開始できるようにする方法を紹介します。
Tera Term 以外で SCALUS に事前定義されていないアプリケーションをご利用になりたい場合は、この記事を参考にお試しいただくか、お問い合わせください。
SCALUS のカスタマイズ – SCALUS Web GUI 使用
ssh セッションを Tera Term で開始できるようにするには、以下を行います。
- SCALUS Web GUI の起動
- SCALUS に Tera Term をアプリケーションとして登録
- SCALUS で SSHプロトコルと Tera Term アプリケーションを関連付け
SCALUS のカスタマイズ作業は、SCALUS Web GUI または 構成ファイルの直接編集で行うことができますが、この記事では、SCALUS Web GUI を使用する方法を説明します。
SCALUS Web GUI の起動
SCALUS を起動します。
SCALUS を起動すると、SCALUS の UI がデフォルトの Web ブラウザーで表示されます。
SCALUS へのアプリケーション登録
[SCALUS Configuration]>[Manage Applications]の[Manage]を選択します。
Applications ウインドウが開きます。
putty-ssh を見つけて +([Clone putty-ssh application])ボタンを選択します。
今回は、ssh セッション用の Putty 設定をもとに、ssh セッション用の Tera Term を登録します。
putty-ssh の定義をクローン(複製)した putty-ssh-clone が追加されました。
putty-ssh-clone の ▽ を選択します。
putty-ssh-clone の現在の定義内容が表示されます。
Putty の設定値を Tera Term のための設定値に変更したあと[Save]を選択します。
・ID: 識別子
・Name: 名前
・Description: 説明
・Exec: 実行プログラムへのパス(※ 使用するアプリケーションを事前にインストールしてください。)
・Args: 実行時の引数(※ 複数の場合は、カンマ区切りで入力してください。)
SSH プロトコルとの関連付け
次に、先ほど登録した Tera Term アプリケーションを ssh プロトコルに関連付けます。
[SCALUS Protocols]>[ssh]の ▼ を選択します。
リストに Tera Term が表示されます。
チェックマークを選択します。
チェックマークの + が消えます。
チェックマークをもう一度選択します。
チェックマークに + が表示されたことを確認します。
これで、ssh プロトコルに Tera Term が関連付けられました。
SCALUS Web GUI を閉じます。
ユーザー操作例:SSH セッション申請 ~ 開始(Tera Term)
ここでは、SCALUS 利用環境で SSH セッションを申請し、開始してみます。
今回は、(Putty ではなく)Tera Term が起動します。
(事前作業)SPP Web GUI で [セッション起動ボタン] の表示
SPP Web GUI から セッションを開始するためには、「[セッション起動] ボタンを表示」オプションが有効であることが必要です(デフォルトは無効です)。
申請者の SPP Web GUI で 「私のリクエスト」の 設定 アイコンをクリックし、[セッション起動] ボタンを表示 をオンにします(トグルを右に移動させます)。
申請者による SSH セッション申請
申請者が SPP Web GUIにログインし、[新しいリクエスト]をクリックします。
利用申請を行いたいアカウントのチェックボックスにチェックをつけ、「アクセスタイプ」で 「SSH」 を選択して[次へ]を選択します。
リクエストを送信します。
申請者による SSH セッション開始
(今回は、「緊急アクセス」申請を行ったため、申請が即時に利用可能状態となります。)
ホーム画面で 「私のリクエスト」 をクリックします。
[SSH セッションの開始]を選択します。
ポップアップ画面が表示された場合は、[scalus を開く]を選択します。
一瞬、黒い画面が表示された後、今回は(Puttyではなく)Tera Term が起動します。
Tera Term のセキュリティ警告画面が表示された場合は、[続行]をクリックします。
SSH 認証画面で[OK]を選択します。
申請したアカウントでログインされます(ユーザー名、パスワードの入力は不要です)。
期待通りに動作しない場合は、SCALUS のログファイル(scalus.log)を確認してみてください。
SCALUS のログファイル(scalus.log)の場所は、SCALUS Web GUI の画面左下にある [Help] ボタンを選択すると表示されます。
作業がおわったら、Tera Term を終了します。
以降の作業は、これまでと同じです。申請者がセッションの終了宣言(= チェックイン)を行い、レビュー担当者が、レビューを完了させます。
さいごに
Tera Term のように SCALUS に事前登録されていないアプリケーションであっても、SCALUS をカスタマイズすることで、SPP Web GUI からのリモートセッションに使用できるようになります。
リモートセッションを使い慣れたアプリケーションで開始したい場合は、SCALUS のカスタマイズをご検討ください。
この記事では、SCALUS Web GUI を使用してカスタマイズを行いましたが、構成ファイル(scalus.json)を直接編集することもできます。構成ファイル(scalus.json)の場所は、SCALUS Web GUI の画面左下にある [Help] ボタンを選択するか、コマンドラインから scalus info を実行すると表示されます。
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