文:ジュピターテクノロジー 山端
NW機器の正常性監視は、IT環境の運用管理における重要なタスクのひとつです。
しかし、数十台、数百台もの機器に対するコマンド実行・記録・監視作業、問題発生時の管理チームへの報告は、時に大きな負担となります。
そこで活躍するのが、SolarWinds Hybrid Cloud Observability (以下、HCO) のモジュールのひとつであるSolarWinds Network Configuration Manager (以下、NCM) です。
今回のブログでは、Cisco機器を例として、NCMを使用してshowコマンドを自動実行し監視する方法、コマンド実行結果が特定の文字列を含む/含まないことを検知して自動でメール通知する方法をご紹介します。
本記事でご紹介するNCMの設定手順は、以下の通りです。
- デバイステンプレート設定
- コンフィグタイプ設定
- デバイステンプレートの割り当て設定
- コンフィグの最小長設定
※本記事に記載の手順および画像はSolarWinds HCO 2024.1.0に準拠します。
お使いのバージョンによっては一部表記が異なる場合がございます。
デバイステンプレート設定
HCOのWebコンソールにアクセスし、上部メニューから「設定」>「すべての設定」をクリック。
「主な設定&管理」画面で「ノード&グループの管理」>「デバイス テンプレートの管理」をクリック。
デバイステンプレートの一覧が表示されます。
「Cisco IOS」のテンプレート名をクリックすると設定内容が表示されます。
NCMでは、下記の図1-4のようなデバイステンプレートに基づいて、様々なベンダー機器のコンフィグバックアップを実行しています。今回はこの「Cisco IOS」テンプレートに、show loggingコマンドの実行結果をバックアップする設定を追加します。
「Cisco IOS」のボックスにチェックを入れ、メニューから「コピー」をクリック。
任意の「テンプレート名」を入力します。
「テンプレートXML」フィールドに下記の1行を追加し、「保存」をクリック。
<Command Name=”Logging” Value=”logging”/>
これでデバイステンプレート設定は終了です。
コンフィグタイプ設定
続いて、先ほど追加した設定に対応する「コンフィグタイプ」を作成します。
上部メニューの「設定」>「すべての設定」をクリック。
「主な設定&管理」画面で「製品固有の設定」>「NCM設定」をクリック。
「NCM設定」画面で「コンフィグ設定」>「コンフィグ タイプ」をクリック。
コンフィグタイプの一覧が表示されます。
画面最下部のフィールドに新たに作成するコンフィグタイプ名を入力します。コンフィグタイプ名は、デバイステンプレートに追加した行の「Command Name」と一致している必要があります。今回は「Logging」を入力し「新規追加」をクリック。
これでコンフィグタイプ設定は終了です。
デバイステンプレートの割り当て設定
続いて、先ほど作成したデバイステンプレートをノードに割り当てます。
上部メニューの「設定」>「ノードを管理」をクリック。
「ノードを管理」画面で、設定対象のノードのボックスにチェックを入れて「プロパティを編集」をクリック。今回はCisco機器に設定を行います。
「プロパティを編集」画面の下部「CLIデバイス テンプレート」設定のプルダウンメニューから、先ほど作成したデバイステンプレート名を選択し、「送信」をクリック。
これで、デバイステンプレートの割り当て設定は終了です。
コンフィグの最小長設定
続いて、コンフィグの最小長設定を調整します。
上部メニューの「設定」>「すべての設定」をクリック。
「主な設定&管理」画面で「製品固有の設定」>「NCM設定」をクリック。
「NCM設定」画面で「コンフィグ設定」>「コンフィグ設定」をクリック。
「コンフィグ転送」の「コンフィグの最小長」設定を任意の値に変更します。
NCMでは、コンフィグダウンロードジョブでこの設定値未満の行数のデータを取得した場合にエラーを返します。今回は1行に設定し、「送信」をクリック
これでコンフィグの最小長設定は終了です。
この後は、コンフィグタイプ「Logging」を使用したコンフィグダウンロードジョブ設定、アラートとアラートアクション設定を行っていきます。
そちらの設定手順は次回「NCMでNW機器の正常性監視を自動化する②」でご紹介します。お楽しみに!
最後に
今回はNCMでNW機器の正常性監視を自動化する方法をご紹介しました。
SolarWinds 製品にご興味のある方は、以下のリンクから弊社までお問い合わせください。