Synology RacStationの監視は、PRTG Network Monitorにお任せください!!

以前に弊社ブログにて、QNAP NASの監視実現方法をご紹介しました。

ご興味のある方は、「『PRTG Network Monitor』でQNAP NASを監視する」をご一読ください。

今回は、日本でも良く取り扱われているSynology NASを、Paessler社のPRTGで監視したいと思います。

文:ジュピターテクノロジー よしひろ

QNAP NAS同様、PRTGはSynology NASを監視する専用センサーを提供しております。

よって、拡張MIBの取り込みや調査なしで直ぐにSynology NASの効果的な運用監視環境を作成することができます。

図1 Synology RS818+(今回の検証に利用)

SynologyにはDiskStation Manager(DSM)と呼ばれるWebベースOSのリソースモニターがあり、以下のような項目を確認することができます。

  • CPU,メモリ、ディスク, ネットワークインターフェイス利用量
  • 起動時間
  • ヘルス状態
  • 起動プロセス
こちらのDSMを活用した監視でも悪くはないのですが、あなたが多数のシステムを運用する管理者であれば個々のデバイスにログインして、これらの値を目視で確認するといったことは現実的ではありません。
他システム含めた統合管理が必要で、DSMで参照できるレベルをログインなしで実現したいものです。

統合監視ソフトウェア製品であるPaessler社のPRTGは、DSMで監視できる項目に加えてさらなる詳細な情報を表示しSynology NASを監視することができます。
加えて閾値の設定やレポートの出力ができ、メールやHTTPアクション、SNMPトラップといった数種類のアラート発報が可能です。

DSM SNMPの有効化設定

DSMでSNMPを有効化します。
図2 DSMでのSNMP有効化
DSMの「Control Panel」→「Terminal & SNMP」をクリックし、「SNMP」タブで設定をします。
  • 「Enable SNMP service」のチェックボックスを有効化
  • SNMPv1,SNMPv2c serviceのチェックボックスを有効化し、Communityに設定するコミュニティストリングを入力。例では、public
最後に「Apply」ボタンを押せば設定は完了です。

デバイステンプレートを使ったセンサーの自動追加手順

Synology NASをデバイスとして登録します。

SNMPデバイスの資格情報設定

今回複数のSynology NASを追加することを想定して、”Synology NAS members”グループをローカルプローブ配下に作成しました。
図3 Synology NAS membersグループ
DSMで設定したSNMPコミュニティ名に合わせる設定を行います。
図3の赤枠にある”Synology NAS membersホーム”をクリックします。
図4 Synology NAS membersホーム画面
図4のグループホーム画面が表示されますので、「設定」をクリックしてください。
図4 SNMPデバイスの資格情報
ここでは、ローカルプローブの「SNMPデバイスの資格情報」と異なるので、「引継ぎ元」のチェックボタンを外し、無効化します。
上述の”DSM SNMP有効化設定”で入力した設定値とこちらの入力を合わせてください。
最後に保存ボタンを押して、設定を反映してください。

デバイスの登録

デバイスメニューで、作成した「Synology NAS members」グループ配下にSynology NASを登録します。
図5 デバイスの追加
図5の赤枠「デバイス追加」をクリックします。
「新規デバイスの追加」画面が表示されるので、任意のデバイス名とIPアドレスを設定して、下にスクロールしてください。
「特定デバイステンプレートを使用した自動検出」を選択し、検索ボックスで「syno」と入力してデバイステンプレートを検索します。「NAS Synology」のチェックボックスを有効にして「OK」ボタンを押してください。
図3 デバイステンプレートによるSynology追加

自動検出が完了すると、以下のSynology専用センサーが追加されます。
  • SNMP Synology論理ディスク
  • SNMP Synology物理ディスク
  • SNMP Synologyシステム正常性
それぞれ、詳細をみていきましょう。

Synology専用センサー

「SNMP Synology論理ディスク」センサー

次のOIDを監視します。

1.3.6.1.4.1.6574.3 = synoRaid
PRTGチャネル名
ボリュームの状態
センサーが利用するOID 内容 値の例
1.3.6.1.4.1.6574.3.1.1.2.X raidName Volume 1
1.3.6.1.4.1.6574.3.1.1.3.X raidStatus 1
※Xはディスクの数によって変化

PRTGのルックアップファイルで、上記の各OIDが定義されております。
例えば、raidStatusが0であれば、通常ステータス。
5であれば、RAIDが削除されたことを検知しており、エラーステータスとなります。
raidStatusの一覧は、こちらにありますのでご興味ある方は、ご一読願います。
図4 Synology論理ディスクセンサー

「SNMP Synology物理ディスク」センサー

次のOIDを監視します。

1.3.6.1.4.1.6574.2 = synoDisk
PRTGチャネル名
ディスクの状態
温度
センサーが利用するOID 内容 値の例
1.3.6.1.4.1.6574.2.1.1.5.X diskStatus 1
1.3.6.1.4.1.6574.2.1.1.6.X distTemperature 41
※Xはディスクの数によって変化

PRTGのルックアップファイルで、上記の各OIDは定義されております。
例えば、disTemperatureが41であれば、ディスクの温度は41度であることが分ります。
diskStatus 1は正常を示しています。
各OIDが取る値の意味と詳細は、論理ディスクセンサーをご紹介したリンクに記載されております。
図5 Synology物理ディスクセンサー

「SNMP Synologyシステム正常性」センサー

次のOIDを監視します。

1.3.6.1.4.1.6574.1 = synoSystem
PRTGチャネル名
システムの状態
温度
CPUファンの状態
Memory Free
CPU Load
センサーが利用するOID 内容 値の例
1.3.6.1.4.1.6574.1.1.0 systemStatus 1
1.3.6.1.4.1.6574.1.2.0 temperature 45
1.3.6.1.4.1.6574.1.3.0 powerStatus 1
1.3.6.1.4.1.6574.1.4.1.0 systemFanStatus 1
1.3.6.1.4.1.6574.1.4.2.0 cpuFanStatus 1
1.3.6.1.4.1.2021.4.3.0 memTotalSwap 3317676
1.3.6.1.4.1.2021.4.5.0 memTotalReal 2034500
1.3.6.1.4.1.2021.4.11.0 memTotalFree 1827516
1.3.6.1.4.1.2021.10.1.5.1 laLoadInt.1 114

PRTGのルックアップファイルで、上記の各OIDは定義されております。
例えば、cpuFanStatus, systemStatusが1であれば、正常を示しています。
各OIDが取る値の意味と詳細は、論理ディスクセンサーをご紹介したリンクに記載されております。
図6 Synology システム正常性センサー

如何でしたでしょうか?
PRTGを使えば、ほんの数ステップでSynologyの詳細な監視を実現できることがわかっていただけたかと思います。
PRTGの試用版、無料版を配布中です。

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