この記事では株式会社たけびし「デバイスゲートウェイ」を「PRTG」で監視する方法を紹介します。デバイスゲートウェイの監視を通じてIIoT環境を監視できます。
文:ジュピターテクノロジー やすだ
※「デバイスゲートウェイ」および「DeviceGateway」は株式会社たけびしの登録商標です。
はじめに
製造、物流など産業分野におけるモノのインターネット、IIoT(Industrial Internet of Things)。さまざま現場でもIIoT化が進んでいるのではないでしょうか?ネットワーク監視ソフトPRTG Network Monitor(PRTG)は、IIoTプロトコルに対応しており、IIoT環境の監視を追加統合、一元監視することができます。
今回は、産業現場の情報をIoTシステムへ橋渡しするユニット「株式会社たけびし」の「デバイスゲートウェイ」をPRTGで監視する方法を紹介します。
構成、監視できること
デバイスゲートウェイがPLCやセンサーなどの製造設備と通信しています。
今回はIoTプロトコル「OPC UA」でデバイスゲートウェイを監視します。※PRTGは「Modbus」、「MQTT」プロトコルにも対応しています。
デバイスゲートウェイはOPC UAサーバーとして機能しており、通信している製造設備の様々な情報とデバイスゲートウェイ自身の情報を取得しています。
PRTGはOPC UAプロトコルを通じてデバイスゲートウェイの正常性や、デバイスゲートウェイが通信している製造設備の様々な情報を監視します。
PRTGは一般的なネットワーク機器やサーバー監視も可能です。PRTGだけで社内ITネットワークも製造設備も監視できます。
PRTG監視画面
PRTGはセンサー(定義済み監視項目)で監視を行います。センサーを選んで追加するだけで監視できます。
OPC UA対応のセンサーは次の3つです。
OPC UA Server Status センサー
デバイスゲートウェイの OPC UA サーバー機能を監視するセンサーです。OPC UA サーバー機能の正常性ステータス、稼働時間、リクエストやセッション、サブスクリプション数などを監視します。※監視できる項目は機器によって異なる場合があります。
OPC UA Certificate センサー
デバイスゲートウェイの OPC UA サーバー機能の証明書監視するセンサーです。証明書の有効期限、公開鍵の長さ、自己署名かどうかを監視します。※監視できる項目は機器によって異なる場合があります。
OPC UA Custom センサー
デバイスゲートウェイが持つ様々な情報を監視するセンサーです。PLCやセンサーなどの製造設備の情報はこのセンサーで「Node ID」を指定して監視します。
デバイスゲートウェイが通信しているPLCとの接続ステータスを監視したり、
デバイスゲートウェイがPLCから取得している値を表示して監視することができます。
接続エラーが発生した場合にアラート通知を実行したり、監視している値をグラフ表示させることができます。
設定手順
デバイスゲートウェイを監視する手順を紹介します。※詳細な手順書をPRTG専門サイトで公開しています。
PRTGは監視対象機器を「デバイス」、監視項目を「センサー」として追加します。次の手順を実行します。
- デバイスゲートウェイをデバイスとして追加
- デバイスにOPC UAの資格情報を入力
- センサーを選んで追加
デバイスゲートウェイをデバイスとして追加
PRTG の Web GUI でデバイスを追加します。
- 「+」アイコン|[デバイスの追加]をクリック
- デバイスを登録する場所を選択して[OK]をクリック
- 「新規デバイスの追加」画面で以下を入力して[OK]をクリック
デバイスにOPC UAの資格情報を入力
追加したデバイスの[設定]にOPC UA通信に使う資格情報を入力します。
- 監視対象デバイスをクリック
- [設定]をクリックして設定画面に移動
- 「Credentials for OPC UA」のチェックボックスを外す
- 項目「Port」を「52220」に変更 ※デバイスゲートウェイのデフォルト値
センサーを選んで追加
- デバイスの[センサー追加]をクリック
- 「センサーの追加」画面で検索欄に「OPC」と入力
- センサー候補が表示される
OPC UA Server Status センサー、OPC UA Certificate センサー
OPC UA Server Status センサー、OPC UA Certificate センサーは選ぶだけです。
OPC UA Custom センサー
OPC UA Custom センサーは監視するNode IDを入力します。Node IDは事前に調査しておきます。※Node IDの調査方法は手順書を参照してください。
- 「センサーの追加」時に表示される 項目「Channel #1 Node ID」に監視したい Node ID の値を入力
これで、デバイスゲートウェイをOPC UAで監視するセンサーを作成することができました。
SNMPで監視
デバイスゲートウェイをSNMPで監視することもできます。デバイスゲートウェイ本体のリソース状態(CPU、メモリ、ロードアベレージ)や、異常を知らせるSNMPトラップの監視ができます。センサー追加からセンサーを選ぶだけです。ここではCPUとメモリの監視画面を紹介します。
※SNMP監視方法は手順書を参照してください。
まとめ
PRTGでデバイスゲートウェイを監視し、IIoT環境監視を実現できました。詳細な手順は弊社PRTG専門情報発信サイトで公開しています。
PRTGは他にもサーバー、ネットワーク機器、仮想環境、クラウドまで、すべてを一元監視できます。
トライアル版、フリー版もございます。オールインワンネットワーク監視PRTGをぜひお試しください。