螺子です。本連載記事では、リモートアクセスログを、さまざまなSSBの機能を使用して調査してみます。
(リモートアクセスのセキュリティ対策については、こちらをご参照ください。)
はじめに
前回は、リモートアクセスログを基データにしてグラフを表示することでリモートアクセスの傾向など、イメージ(“誰が業務時間外にアクセスしているか?”、”何時ごろに業務時間外のアクセス集中しているか?”など)が確認しやすくなりました。
※過去記事、「(その5)「サービス残業させていない?業務時間外勤務の実態をグラフで見やすく! 」」参照。
この情報を、毎回SSBの検索ページで検索し表示するのではなく、定期的にレポートとして管理者に自動で送信できたら便利ではありませんか?
SSBの”カスタム統計情報レポート”機能を使用することで、これらの情報を管理者にメールで定期的に通知することができます。
今回は、検索ページで表示したグラフ(カスタム統計情報)をレポートにして、管理者に定期的に通知してみます。
カスタム統計情報レポート作成
以下では、リモートアクセスユーザー毎のログオン、ログアウトカウントのグラフをレポート(カスタム統計情報レポート)として作成し、カスタムレポートを設定してメールでレポートを管理者に定期的に送信してみます。
カスタム統計情報の表示画面で、をクリックします。
[Report settings]セクションが展開されるので、作成するカスタム統計情報レポートに関する設定を行います。
- [Report subchapter name]フィールドにカスタム統計情報レポートの名前(サブチャプター名)を入力します。
- [Visualization]でレポートの表示方法([List](リスト形式)、[Pie chart](円グラフ)または[Bar chart](棒グラフ))およびソート方法([Top](降順)または[Least](昇順))を選択します。
- [Number of entries]にレポートに出力する要素の数を選択します([List]選択時のみ)。
- [Grant access for the following user groups]フィールドにサブチャプターにアクセスできるユーザーグループを選択します。
をクリックして、設定を保存します。
ここでは、カスタム統計情報を以下の3種類のカスタム統計情報レポートの設定で保存します。
Report subchapter name: remote_access_counts_per_user.pie
Visualization: Pie chart / Top
Grant access for the following user groups: -
図2. カスタム統計情報レポート設定(Pie chart)例
Report subchapter name: remote_access_counts_per_user.bar
Visualization: Bar chart / Top
Grant access for the following user groups: -
図3. カスタム統計情報レポート設定(Bar chart)例
Report subchapter name: remote_access_counts_per_user.list
Visualization: List / Top
Number of entries: 50
Grant access for the following user groups: -
図4. カスタム統計情報レポート設定(List)例
カスタムレポート作成
作成したカスタム統計情報レポートを、レポートとして生成し、送信するには[Reports]>[Configuration]でカスタムレポートを作成(あるいは既存のレポートに追加)する必要があります。
ここでは、新規にカスタムレポートを作成してみます。
[Reports]>[Configuration]に移動し、ボタンをクリックします。新しいレポート設定を記述するための追加のフィールドが表示されます。
新しいカスタムレポート名として、”remote_report”と入力します(この名前はPDFファイル名とレポートタイトル名に使用されます)。
[Add Chapter]をクリックして、チャプター名を入力します。ここでは、”remotereport”と入力します。
※レポートはチャプター(Chapter)とサブチャプター(Subchapter)で構成されます。チャプターはレポートの章として出力され、サブチャプターはカスタム統計情報レポートを指定します。サブチャプター(レポート)はチャプター以下に出力されます。
[Add Subchapter]ボタンが有効になるので、 [Add Subchapter]ボタンをクリックします。
[Add Subchapter]画面が表示され、利用できるサブチャプター(レポート)がリストされます。
レポートに含めるサブチャプター(ここでは、前手順で作成したカスタム統計情報レポートの”remote_access_counts_per_user.pie”、”remote_access_counts_per_user.bar”および”remote_access_counts_per_user.list”)を選択し、[OK]をクリックします。
オプションで、[Recipient]セクションで、送信先メールアドレスを指定します。デフォルトでは、[Basic Settings]>[Management]>[Mail settings]で設定したメールアドレスにレポートが送信されます。
[Commit]をクリックして、設定を保存します。
カスタム統計情報レポート内容
カスタムレポート設定後、SSBは定期的(デフォルトで”Day”(毎日)、”Week”(毎週)、”Month”(毎月))にレポートを設定したメールアドレスへ送信します。
以下は、カスタムレポートのメール受信例(日ごと: “Day”(毎日))です。
レポートは、PDF形式のファイルで送信され、トップページにはレポートタイトルおよびレポートのもとになるログの抽出期間が記載されています。
続いて、レポートの目次が出力されます。
今回、作成したカスタム統計情報レポートは、以下のように表示されます。
SSBの機能
本記事で使用したSSBの機能は以下の通りです。
- カスタム統計情報レポート
- レポート
参考資料
カスタム統計情報レポートおよびカスタムレポートの作成の詳細については、syslog-ng Store Box 6 LTS管理者ガイドの「12.3 ログデータからカスタム統計情報の作成」および「13.7 レポート」を参照してください。
また、レポートについては、過去記事「syslog-ng Store Box(SSB) レポート機能の紹介!」も参照してください。レポート全体のサンプルなどが確認できます。
いかがでしたでしょうか。今回は、”カスタム統計情報レポート”機能について紹介しました。次回はCSVエクスポート機能を使用してリモートアクセスログを調査してみます。
それでは、次回の連載記事をお楽しみに!
これまでの「リモートアクセスログを調査」連載記事
- (その1)「フィルターログスペースを使用して必要なログのみ検索・抽出してみる!」
- (その2)「マルチログスペースを使用してログを集約してみる!」
- (その3)「リモートログスペースを使用して他のSSBに保存したログを検索・抽出してみる!」
- (その4)「サービス残業させていない?リライトを使用して日時を指定して検索してみる!」
- (その5)「サービス残業させていない?業務時間外勤務の実態をグラフで見やすく!」
「syslog-ng Store Box大活用連載企画」連載記事リスト
- 第1回「syslog-ng Store Boxを知る」
- 第2回「syslog-ng Store Boxを仮想環境にインストールする」
- 第3回「syslog-ng Store Boxで出来ることまとめ」
- 第4回「Wiresharkでsyslogプロトコルパケットを覗く」
- 第5回「Ciscoスイッチ、FortigateファイアウォールログをSSBで受信!よりログを検索しやすく」
- 第6回「RPC APIを使ってみる、自社システムに統合!ログ検索の自動化!」
- 第7回「Active Directoryと連携して、Active Directoryユーザー認証!」
- 第8回「SSBをHA(High Availability)構成で構築してみる!」
- 第9回「ログをバイナリおよびテキスト形式で保存、違いを比較してみる」
- 第10回「ログファイルを共有して、外部ホストからアクセスしてみる!」
- 第11回「フィルターを使用して、必要なログのみ保存してみる!」
- 第12回「SSBの監視とアラート!SNMPマネージャーで監視およびSNMPトラップを受信してみる」
- 第13回「コンテンツベースアラート。重要なログを見逃さない!」
- 第14回「設定変更履歴。コンプライアンスにも対応!」
- 第15回「トラブルシューティングに役立つ機能。問題を迅速に解決!」
- 第16回「ユーザーアクセス制御。アクセス権限とタイプを設定してみる!」
- 第17回「リライト機能。ログの整形や正規化!」
- 第18回「バックアップリストア。システムデータおよびログデータをバックアップ、リストアしてみる!」
- 第19回「アーカイブ/クリーンアップ。ログデータをアーカイブ、クリーンアップしてみる!」
- 第20(最終)回「SSBの有効活用および安定稼働のためのポイントを紹介!」
SSBは、高信頼ログ管理アプライアンスです。様々なデバイスおよびアプリケーションからログメッセージを収集、分類、フィルタリング、正規化して安全に保存可能です。ログデータの信頼性を担保し、膨大なログが発生する高負荷環境、あるいはログロストが許されない企業・組織のログ管理に最適です。
syslog-ng Store Boxについての詳細は、製品紹介ページ・製品ガイドをご参照ください。