はじめに
Checkmk上で発生した様々な問題は、通知ルールの設定に応じて通知されます。全ての通知のトリガーとなるのは何らかのイベントが発生したタイミングです。例えばホスト/サービスの状態変化(例:UP→DOWN、OK→WARN)、SNMPトラップやsyslogの受信時などです。
さまざまな通知方法がありますが、本記事ではホストの状態変化をトリガーとした際に電子メール通知を発報する方法と、別の宛先に向けてSNMPトラップを発報する方法の2種類を説明します。
<事前準備>メールサーバーの登録
Checkmkをインストール後、通知時に使用するメールサーバーをあらかじめ登録しておく必要があります。未設定の方は、ユーザーガイドをご参照の上SMTPサーバーの登録を完了させてください。(Linux版をご利用の場合:「14.2 Ubuntu版MTAの設定」、仮想アプライアンス版をご利用の場合:「14.3 アプライアンス版 メールの設定」)
テストメールが送信されることまで確認できていれば、事前準備は完了です。
通知ルールの設定
ホストがDOWN状態で電子メールを発報する
ユーザー登録
まずはユーザーのメールアドレス登録を行います。
セットアップ>”ユーザー”>ユーザー 画面で[ユーザーを追加する]ボタンをクリックします。
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図2画面赤枠のユーザー名、フルネーム、Eメールアドレスを入力し、連絡先グループ「Everything」をチェックします。(デフォルトではEverythingしか存在していませんが、通知用のグループもセットアップ>”ユーザー”>連絡先グループ から追加できます。)
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[保存する]ボタンをクリックして画面が遷移したら、画面右上に変更適用ボタンが表示されますので、クリックし、図3の画面でアクティブ化を実施します。
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これでユーザー登録は完了です。
通知ルール作成とメールのカスタマイズ
次に通知ルールの設定ですが、通知ルールは全て、セットアップ>”イベント”>通知 から設定を行います。新しくルールを作成する場合は、図4赤枠の[ルールを追加]ボタンをクリックします。
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図5赤枠、通知方法に「HTML Eメール」を選択します。その下に並ぶオプションは、必要に応じてチェックを入れてください。今回は何も設定せず進めます。
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赤枠のオプションですが、「ホスト通知の対象」「サービス通知の対象」「メール本文に表示される情報」を有効にすると、発報するメールの内容をカスタマイズすることができます。「全ての受信者に個別の通知を送信」のオプションは、複数名を宛先とした場合に全て個別(Cc)で送信できる機能です。場合により使い分けてください。
図6赤枠、連絡先の選択欄には先ほど登録したユーザーを指定します。コンタクトグループ「Everything」を選択することも可能です。
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条件欄には、図7赤枠の「ホストイベントタイプに一致」を有効にし、「どれか▶ダウン」を選択します。今回はホストのダウン状態をトリガーとする条件指定方法ですが、条件が複数ある場合は複数チェックすることが可能です。
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ここまで入力したら[保存する]ボタンをクリックすると図8のように通知ルールの一番上に並びます。通知設定は変更の適用作業は必要ありません。通知ルールを保存したときからルールが適用されます。
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これで、監視中のホストが「起動停止(DOWN状態)」になった際にメールで通知する設定は完了です。ホストのDOWNを検知すると、図9のようなメール通知が発報されます。
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ホストがDOWN状態でSNMPトラップを発報する
ユーザー登録
SNMPトラップを発報する場合もまずはユーザー登録を行います。SNMPトラップ発報専用のユーザーのため、メールアドレスは絶対に入力しないでください。不要なメールが発報されてしまいますので、図10赤枠のユーザー名、フルネームのみ入力してください。
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[保存する]ボタンをクリックして画面が遷移したら、メール通知設定時のユーザー登録と同様に変更のアクティブ化を実施します。ユーザー登録は以上です。
通知ルール作成
次に通知ルールの作成です。セットアップ>”イベント”>通知を表示し、ルール追加を行います。
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図11赤枠、通知方法の欄では「Spectrum Server」を選択します。宛先IP、SNMPコミュニティ、ベースOIDを指定します。ベースOIDはデフォルトで入力されており、そのまま使用しても問題ありません。トラップ受信側で仕分けたい場合など、必要に応じて変更してください。
連絡先には先ほど作成したSNMPtrap専用のユーザーを指定してください。通知エラーを避けるため他のユーザーは含めないようにしてください。
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あとはメール通知設定時と同様に、ホストのイベントタイプを選択し(図12)、ルールを保存します。これで、監視中のホストが「起動停止(DOWN状態)」になった際にSNMPトラップを発報する設定は完了です。
おわりに
いかがでしたでしょうか。今回はシンプルな設定でしたが、通知ルール画面には連絡先とイベント条件それぞれに指定可能な項目が多数用意されております。様々なパターンを組み合わせることで、理想の通知環境を作成できるかもしれません。
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