【Checkmk KB】通知カスタマイズ③:警告をSNMPトラップで通知する

はじめに

通知関連のカスタマイズ記事も3回目です。通知メールのおまとめ方法から、無効化の方法などをご紹介しました。今回は、通知カスタマイズ③として、SNMPトラップを使った通知設定方法をご紹介します。

前回の記事はこちら

SNMPトラップで通知する

通常は、メール、SMS通知を使った通知を設定することが多いかと思いますが、例えば監視対象が送信したトラップをCheckmkが受信した場合にトラップを受信したことを他のSNMPハンドラにトラップを使って通知したいという場合、Checkmkでは「Spectrum Server」のテンプレートを使用し、以下の手順で設定します。

※事前設定として、SNMPトラップはすでにイベントコンソールで受信可能であるものとします。トラップ受信設定方法はユーザーガイド「15.2 SNMP トラップと Syslog の受信設定」の章をご確認ください。

まず、セットアップ>”イベント”>イベントコンソールでSNMPトラップを取得するためのルールを作成します。今回は、「一致するテキスト」でSNMPトラップに含まれる文字列(ホストIP)を指定し、アクションにチェックを入れました。(図1)

図1

保存したら、セットアップ>”ユーザー”>ユーザー[ユーザーを追加する]ボタンから新規ユーザーを追加します。ここでは「ユーザー名」と「フルネーム」のみ変更し登録してください。このユーザーは今回のルールにのみ使用する空のユーザーとなります。メールアドレスは入力しないでください。

図2

ユーザーを保存し、右上の〇chenges!からアクティベートを行ってください。

次にセットアップ>”イベント”>通知 [ルールを追加]からルールを作成します。

図3

通知方法には「Spectrum Server」を設定し、宛先IP(トラップの送信先IP)とコミュニティ名を指定します。ベースOIDは、設定するとこのOIDの後ろに1~14項目の項目のトラップ情報を付与して送信されます。今回はデフォルトのままとします。

連絡先には先ほど作成したトラップの専用ユーザーを必ず選択してください。

画面下部の条件欄では「イベントコンソールアラート」を有効にし、「イベントコンソールアラートにのみ一致」を選択、最初に作成したSNMPtrapを取得するイベントのルールIDを入力してください。他の条件も設定することが可能です。

図4

これで全て設定は完了となります。

トラップを受信し、「Spetrum Server」の通知ルールが適用されたがどうか、確認してみましょう。

トラップをCheckmkサーバーに送ると、イベントコンソールで対象のトラップを受信したことが確認できます。ルールIDやホストIPで対象かどうか確認できます。

図5

次に、セットアップ>”イベント”>通知 設定画面の最近の通知欄を確認し、対象のトラップがならんでいることを確認します。これは通知の履歴になります。(最近の通知欄が表示されていない場合は、「分析を表示」のボタンをクリックします。)

図6

図6赤枠内のグラフマークのような分析ボタンをクリックすると、対応したルールに緑の●アイコンが表示されます。(図7)グローバル通知ルール欄には、通知のルールを設定するごとに複数並びます。並んでいる順で上から全てのルールを通り、条件に当てはまる通知設定を実行していく仕組みとなっています。どのルールに当てはまって通知が発報されたかわからない場合は、分析ボタンをクリックして確認してください。

図7

送信先へトラップが通知されているかどうかは、送信先の機器・管理画面等でご確認ください。

今回は「トラップ受信」をトリガーとするため、イベントコンソールルールのイベントIDを通知条件に設定しましたが、単純に通常のホスト/サービスチェックによりトラップを飛ばしたい、という場合は図1のイベントコンソールルールを作成する手順はスキップすることができます。図2のユーザー作成から実施し、図4の条件画面でイベントコンソールではなく「ホストチェック」や「サービスチェック」を条件に設定するだけでOKです!

おわりに

以上、本記事では通知のカスタマイズとして、SNMPトラップでの通知送信方法をお伝えしました。このほかにも、Checkmkの通知では、発報するSNMPトラップ内容を詳細に変更したり、トラップに設定するための内部変数を増やしたり……といったカスタマイズも可能です!障害発生時に他のシステムへ通知したり警告灯をトラップでキックして点灯させたいといった場合には、ぜひ今回の方法でSNMPトラップをうまく活用し、連携させてみてください。

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