本記事では、Checkmkで富士通サーバー「PRIMERGY」を監視する際の登録手順と監視結果についてご紹介します。
文:ジュピターテクノロジー とぐち
※この記事に掲載されている商品またはサービスの名称等は、各社の商標または商標登録です。
はじめに
Checkmkは富士通サーバーを監視するための専用プラグインが搭載されているため、事前にPRIMERGYのMIBファイルをCheckmkサーバーにインストールする必要はありません。ホスト登録をするだけで対応したサービス(監視項目)を自動で検出することができ、すぐに監視が始められます。
前提として、監視対象であるPRIMERGYサーバーの設置は完了しており、CheckmkはサーバーのiRMCと通信できるものとします。iRMCとは、富士通PRIMERGYシリーズのサーバーに搭載されている管理機能です。iRMCの有効化が完了している必要がありますので、iRMCの有効化手順については、富士通のマニュアルをご参照のうえ設定ください。
参考:バージョン情報
- PRIMERGY RX2530 M6 型名:PYR2536R2N (OS:Windows Server 2019 Standard)
- ServerView iRMC S5 Web Server 3.31P
PRIMERGY iRMC側の設定
SNMP設定
CheckmkでPRIMERGYを監視するためには、PRIMERGYに搭載されているiRMCでSNMPを有効化する必要があります。SNMPプロトコルは「SNMPv2c」トラップは「SNMPv1」で設定します。
iRMCのWebGUI(サーバーのIP)にログインし、[設定]タブをクリックします。
[サービス]をクリックし、SNMP欄を設定します。
<設定内容>
- SNMPを有効にする:有効(チェック)
- [SNMP設定]
- SNMPポート:161
- SNMPプロトコル:全て(SNMPv1/v2c/v3)
- SNMPv1/v2cコミュニティ:public
- [SNMPトラップ送信元]
- SNMPコミュニティ:public
- SNMPトラップサーバ1:CheckmkサーバーのIPアドレス
- (他にもトラップ送信先がある場合は追加)
上記入力が完了後、画面右下の[適用]ボタンをクリックしてください。
[テスト]ボタンをクリックすると、テストトラップが発呼されます。設定変更を行った場合は、テストを実施する前に必ず[適用]ボタンをクリックしてください。
以上で、iRMC側での設定は完了です。
Checkmk側の設定
ホスト・サービス追加
ホストとしてPRIMERGYをCheckmkに追加し、サービスの自動検出をおこなっていきます。
登録先として新規フォルダを作成、または既存フォルダを選択し、ホスト追加を行ってください。
ホスト登録の手順詳細は、過去の記事「【Checkmk ビギナーズガイド】(2)ネットワーク機器のSNMP監視」をご参照ください。今回は抜粋して説明します。
図4 ホスト追加画面で、ホスト名とiRMCのIPアドレス、SNMP資格情報を入力します。
<設定内容>
- [Network address]
- iPv4アドレス:iRMCのアドレス
- [Monitoring agents]
- Checkmk agent/API integrations:No API integrations, no Checkmk agent
- SNMP:SNMP v2 or v3
- SNMP資格情報:SNMPコミュニティ(SNMPバージョン1および2c)
- public ※iRMCで設定したコミュニティ名
入力後、[保存してサービス設定に移動]ボタンをクリックしてください。サービスの自動検出が行われるので、今回は[Fix all]ボタンで全ての監視項目をサービスとして追加します。
以上で監視準備は完了です。
監視結果確認
自動検出し、追加されたサービスの監視結果を確認していきます。
モニター>”ホスト”>すべてのホスト から、登録済みのPRIMERGYサーバーをクリックすると、図5のように登録サービス一覧が表示されます。
※図5は監視サービスの一部です。監視対象のにより、取得サービスの種類・数は異なります。
サービスそれぞれをクリックすると、サービスごとの詳細な情報を確認することができます。
CPU
ホストのCPU使用率を監視します。
メモリ
ホストのメモリ使用状況を監視します。
ファン
ホストのファン使用状況を監視します。
電源
ホストの電源を監視します。
消費電力
ホストの消費電力を監視します。
サーバー情報
ホストのサーバー情報を監視します。
温度
ホストの温度を監視します。
電圧
ホストので電圧を監視します。
トラップ受信
Checkmkでは、ホストが発呼するSNMPトラップのメッセージをイベントコンソール画面で受信できます。(図14)モニター>”イベントコンソール”>イベント 画面から確認できます。
いかがでしたでしょうか。本記事で紹介したものは富士通の専用プラグインで取得できたサービスのみですが、他にも通常のSNMP標準MIB監視で作成されるインターフェイスのトラフィック監視サービスや起動時間監視サービスも自動的に作成されました。
また、本検証は富士通株式会社の検証事例ページにもご掲載いただきました。リンクよりご確認いただけます。
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30日間無償でご利用いただける評価版も以下のダウンロードリンクにご用意しております。簡単に検証が開始できますので、評価ガイド(PDF)を参考にぜひお試しください。