はじめに
文部科学省より、「通信ネットワーク環境の評価(アセスメント)の実施についての依頼」が、令和5年2月3日に出されました。
本評価は、
GIGAスクール構想の下、1人1台端末、通信ネットワーク等のICT環境の整備を進め、Society5.0時代を生きる子供たちに相応しい、全ての子供たちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びの充実
引用 【事務連絡】通信ネットワーク環境の評価(アセスメント)の実施について(依頼)(文部科学省
を目指すものです。
今後、デジタル教材の利活用が本格化していくにつれ、教育環境の通信ネットワークを充実させる必要性は増していきます。とはいえ、評価に時間をかけるわけにも行きません。
一人一台端末での学習をより効果的に実施するため、評価が毎年のように行われる可能性があることを考慮すると、より、シンプルで報告しやすい情報の取得が必要になります。
その評価を簡単に、かつ、確実に実施するためには、どのようにして通信の状況を可視化していけばよいのでしょうか。
今回は、Fastvue Reporter (ファストビュー レポーター)という製品を通して、ネットワークアセスメントへどのように対応するかを見ていきましょう。
Fastvue Reporter(ファストビュー レポーター)とは
Fastvue Reporterとは、多くの教育機関に設置されているUTMのログを可視化する、シンプルなレポーターです。児童・生徒のデジタル教育をより充実させるために必要な情報を得るために、オーストラリアで開発されました。
オーストラリアの教育現場では、教員の分業が進んでいます。教科担当とスクールサポートオフィサーが協力してクラスマネージメントを行っている学校が多く、通信を可視化したレポート結果を基に、児童・生徒の指導や教育に活かしています。
では、Fastvue Reporterはどのように教育現場の通信環境を可視化するのでしょうか。今回は、ネットワークアセスメントに関する内容を中心に、操作画面をご覧頂ければと思います。
教育環境内の端末名を可視化
GIGAスク-ルネットワークアセスメントでは、NW上の端末名を可視化し、確認できるようにすることが挙げられています。Fastvue Reporterは、DNSサーバーとLDAP連携をさせることで、端末名・ユーザー名の可視化を行います。
時間別通信量を可視化
また、GIGAスク-ルネットワークアセスメントでは、時間別通信量を可視化することも求められます。Fastvue Reporterは通信量の可視化以外にも、役に立つ機能を持っています。
1時間ごとの活動・通信量を可視化し、レポート化
通信量のレポートのほかに、アクティビティレポートを出すことで、「何時に」、「誰が」、「どのURLにアクセスをしたのか」までレポート化し、児童・生徒の動きや、学習傾向の分析に役立ちます。ドメイン以下のURLを可視化する際は、UTMのディープインスペクションを有効化します。
スケジュールレポート機能で手間をかけない
日次、週次、月次、時間ごとなど、スケジュールレポート機能で自動的にレポート出力を行います。レポートは夜間に出力され、設定したEメールアドレスに送信されます。提出の手間を自動化することで、情報担当教員や保守業者の負担を削減します。
アプリケーションごとの通信量を可視化
アプリケーションごとの通信量の可視化機能は、次期導入時のアプリケーション選定の際、重要な参考資料となります。アプリケーションごとの利用量が可視化されるため、良く利用されているアプリケーションは継続、利用率の少ないアプリケーションの予算は別に回すことができます。アプリケーションの通信を可視化する際は、アプリケーションコントロール(application control)を有効化します。
+α 検索したキーワードの可視化
Fastvue Reporterは、児童・生徒が、どんなキーワードを検索したのかを可視化できます。また、特定のキーワードを指定することで、特定のキーワードを検索した児童・生徒の端末名かユーザー名をレポート化できます。指定したキーワードはYouTube検索で閲覧した動画にも適用されます。
オーストラリアの教育機関では、この機能を使って、教科担当とスクールサポートオフィサーが児童・生徒の支援を行っています。検索キーワードを可視化する際は。UTMのWebフィルタ機能を有効化します。
その他 ネットワークアセスメント対応製品
SolarWinds NetWork Topology Mapper (ソーラーウィンズ ネットワーク トポロジー マッパー)
教育機関のNW内にある端末名を可視化し、ネットワーク図にすることができます。
アプリケーション層までの通信分析をすることができ、異常な通信があった時にアラートを出すことができます。また、ネットワークの混雑状況を可視化でき、学校に1台あれば、通信の遅延が起きた際、保守業者がすぐに原因を特定できる優れたトラフィック分析製品です。
その他、ネットワークアセスメントで取り上げられている「L2スイッチ・L3スイッチの判別」、「帯域量・セッション数の可視化」、「ネットワーク速度の確認」を行いたい場合は、弊社ネットワークマネジメントシステムにて実現可能です。ぜひ、ご検討ください。
まとめ
Fastvue Reporterは、GIGAスク-ルネットワークアセスメントに指定された通信の可視化に役立つ製品です。また、アプリケーションごとの通信量を明確にすることで、来期の導入製品検討に役立ちます。そして、特定のキーワードを可視化することで、児童・生徒の心と体の健康・安全を守るために役立つ資料を提供できます。
NW内の端末をマッピングする NetWork Topology Mapperや、通信遅延の分析を行うntopを始め、弊社ネットワークマネジメントサービスも、よりよい通信環境の構築に寄与します。
この度は、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考・引用URL
【事務連絡】通信ネットワーク環境の評価(アセスメント)の実施について(依頼)(令和5年2月3日)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_02142.html