【SolarWinds Hybrid Cloud Observability 完全セットアップマニュアル】その9. カスタムアラート設定①

文:ジュピターテクノロジー 山端

SolarWinds Hybrid Cloud Observability (以下、HCO) のアラート機能では、シンプルな条件から複雑な条件まで、多様な監視の要望に応えることが可能です。
本記事では、HCOのカスタムアラート機能の基本的な設定方法と、アラートの対象範囲を一括で指定できるカスタムプロパティ機能をご紹介します。

※本記事に記載の手順および画像はSolarWinds HCO 2024.2.0に準拠します。 お使いのバージョンによっては一部表記が異なる場合がございます。

カスタムアラート設定

カスタムアラートを作成するには、HCOのWebコンソールにアクセスし上部メニューの「アラートとアクティビティ」>「アラート」をクリック。

図1-1. アラートと
アクティビティメニュー

「アラートの管理」をクリック。

図1-2. すべてのアクティブアラート画面

「新しいアラートの追加」をクリック。

図1-3. アラートの管理画面

ここから追加するアラートの詳細を設定していきます。 「アラート定義の名前」「アラートの評価頻度」「重大度」などを任意に設定し「次へ」をクリック。

図1-4. アラートプロパティ

続いて、アラートが発報する条件 (トリガー条件) と停止する条件 (リセット条件) をプルダウンメニューで設定します。
「アラート作成対象」から任意の項目を選択し「実際のトリガー条件」で詳細な条件を指定します。アラートの適用範囲を特に指定しない場合は「アラートの範囲」で「環境内のすべてのオブジェクト」を選択します。

図1-5. トリガー条件

「リセット条件」画面で同様の設定を行うには、「このアラートの特殊リセット条件を作成」>「条件を追加」>「新規条件を作成」または「トリガーから条件をコピー」をクリック。上記と同様の設定メニューが表示されます。

図1-6. リセット条件

設定できる項目や条件は多岐に渡るため本記事では割愛しますが、例えば下記のようなアラートを設定できます。

①ノード死活監視アラート

②インターフェイス使用率 (送信) 監視アラート

③CPU負荷監視アラート

④機器の帯域幅 (ifHighSpeed) 設定の変更検知アラート

トリガー条件、リセット条件に問題が無ければ「次へ」をクリック。
アラートに特定のスケジュールを設定しない場合は「アラートは常に有効です。」を選択して「次へ」をクリック。

図1-7. 時刻設定

続いて通知に使用するトリガーアクションを設定します。
今回は「NetPerfMonイベントログにアラートを記録」、「電子メール/ページを送信」の2つを設定します。「アクションを追加」をクリック。

図1-8. トリガーアクション①

「NetPerfMonイベントログにアラートを記録」を選択して「アクションを設定」をクリック。

図1-9. アクションを追加:NPMイベントログ

任意の「アクション名」を入力します。
「NetPerfMonイベントログにアラートを記録の設定」のフィールドに、Webコンソール上で表示したいメッセージを入力します。今回は変数を使用してアラート名と対象のノード名を表示するテキストを入力しています。「アクションを追加」をクリックするとトリガーアクションとして設定されます。

図1-10. アクションを設定:NPMイベントログ

先程と同様に「アクションを追加」をクリックし、「電子メール/ページを送信」を選択して「アクションを設定」をクリック。

図1-11. アクションを追加:電子メール/ページを送信

任意の「アクション名」を入力し、宛先メールアドレス、SMTPサーバーを設定します。
今回はメールの件名とメッセージはデフォルトのものを使用します。「アクションを追加」をクリックするとトリガーアクションとして設定されます。

図1-12. アクションを設定:電子メール/ページを送信

2つのアクションが画面に追加されていることを確認し「次へ」をクリック。

図1-13. トリガーアクション②

今回はリセットアクションを設定しないのでそのまま「次へ」をクリック。

図1-14. リセットアクション

最後にサマリーを確認し、設定内容に問題がなければ「送信」をクリックします。
これで新しくアラートが追加できました。

カスタムプロパティ設定

続いて、アラートの範囲指定に使用できるカスタムプロパティの設定方法をご紹介します。
カスタムプロパティとは、監視対象に任意の情報を自由に付与することができる機能です。この機能を使用すると、例えば設置拠点の情報や保守連絡先といった情報を監視機器に紐づけて管理できます。

今回はこの機能を使用して、監視機器にアラート適用対象のTRUE/FALSE情報を付与します。
上部メニューから「設定」>「すべての設定」をクリック。

図2-1. 設定メニュー

「主な設定&管理」画面で「ノード&グループの管理」>「カスタムプロパティを管理」をクリック。

図2-2. ノード&グループの管理

「カスタムプロパティを管理」画面が表示されます。「追加」をクリック。
※画面のレイアウトが図2-3と異なる場合は、画面右上の「☆新しいカスタムプロパティの管理ページを表示する」をクリックしてください。変更後に元のレイアウトに戻す場合は画面右上のメニューボタンから「レガシービューに切り替え」>「切替」をクリックします。

図2-3. カスタムプロパティを管理

「エンティティタイプ」のメニューから「ノード」または「インターフェイス」を選択します。こちらはアラートの監視対象によって変更してください。
任意の「プロパティ名」を入力し、「フォーマット」のメニューから「はい/いいえ」を選択します。
「保存」をクリックすると新規のカスタムプロパティが追加されます。

図2-4. カスタムプロパティを追加

続いて、作成したカスタムプロパティをノード、インターフェイスに割り当てます。
Webコンソール上でも割り当て設定ができますが、今回はエクスポートファイルを使用した設定方法をご紹介します。

上部メニューの「設定」>「ノードを管理」をクリック。

図2-5. 設定メニュー

以下、ノードに割り当てる場合の設定方法を記載します。インターフェイスに割り当てる場合は「ノード」を「インターフェイス」に読み替えてください。

「表示」メニューで「ノード」を選択し、左側の「グループ化基準」メニューで「グループ化なし」を選択してノードの一覧を表示します。
カラム名の左側にあるチェックボックスをクリック。ノードが複数ページに跨っている場合は図2-6のようなメッセージが表示されるので、「すべてのノードを選択」をクリック。

図2-6. ノードを管理

「すべてのノードが選択されました」のメッセージ表示を確認し、「詳細アクション」>「カスタムプロパティ値のエクスポート」をクリック。

図2-7. カスタムプロパティ値のエクスポート①

「エクスポートする列を選択する」から「Caption」、「IP_Address」、作成したカスタムプロパティ名にチェックを入れます。
「ファイル形式を選択する」のメニューから「Excel ファイル(.xls)」を選択し、「エクスポート」をクリック。選択したデータをExcelファイルで取得できます。

図2-8. カスタムプロパティ値のエクスポート②

このファイルを開き、アラートを適用するノードのカスタムプロパティ列の値を「TRUE」に変更し保存します。

図2-9. エクスポートファイルの編集

再度Webコンソールの「ノードを管理」画面を開き、「詳細アクション」>「カスタムプロパティ値のインポート」をクリック。

図2-10. カスタムプロパティ値のインポート①

「アップロードするファイルを選択する。」に先ほど編集したExcelファイルを指定し、「次の値をインポート」から「ノード」を選択して「Next」をクリック。

図2-11. カスタムプロパティ値のインポート②

「スプレッドシート列のインポート」と「Orion データベース列」が一致していることを確認し「インポート」をクリック。これでカスタムプロパティ値が一括で更新されます。

図2-12. カスタムプロパティ値のインポート③

更新を確認するには、「ノードを管理」画面でカラム名の右端にある>>マークをクリック。

図2-13. ノードを管理

「列を選択」で表示したいカスタムプロパティに☑を入れて「OK」をクリック。

図2-14. 列を選択

選択したカスタムプロパティの列がノード一覧画面に追加されます。

図2-15. カスタムプロパティ値

これでカスタムプロパティ設定は終了です。アラート範囲としてこのカスタムプロパティを指定することで、「True」を割り当てたノードに一括でアラートを適用することができます。

この設定は上述のトリガー条件およびリセット条件画面の「アラートの範囲」から行えます。「以下のオブジェクトのセットだけ」を選択し、プルダウンメニューから下記のように設定します。

「以下のオブジェクトのセットだけ」
→以下の条件を満たす全てのオブジェクト:「子のすべての条件を満たしている必要があります (AND)」
→「ノード」(または「インターフェイス」)「<カスタムプロパティ名>」「が次の値と等しい」「はい」

図2-16. カスタムプロパティによる範囲指定

「アラートの範囲」が正しく設定できているかを確認する場合は「アラートの範囲」>「以下のオブジェクトのセットだけ」右側の「リストを表示」をクリックします。「検知されたオブジェクト」に対象が一覧表示されます。

図2-17. 検知されたオブジェクト

これで、プルダウンメニューを使用したカスタムアラートの設定は終了です。HCOではこのように簡単な操作で様々なアラート条件を設定することができます。
次回は、更に監視を拡張できるカスタムSQLアラートとユニバーサルデバイスポーラー機能をご紹介します。お楽しみに!

最後に

今回はHCOのカスタムアラートの設定方法をご紹介しました。
SolarWinds 製品にご興味のある方は、以下のリンクから弊社までお問い合わせください。

こんな記事も読まれています

最新記事

おすすめ記事

  1. 特権アカウント管理の方法:パスワードを通知するか隠すか / 操作記録は必要か [PAM/PASM]

  2. ntop Deep Packet Inspection(nDPI)未登録プロトコル設定

  3. WinSyslog使い方ガイド#1送信元デバイスや月ごとにフォルダを自動分割する

製品カテゴリー

JTC IT用語集
TOP