Checkmkは、ハイブリッドITインフラ監視ソフトウェアで、ネットワークの規模を問わず、あらゆるITインフラの監視が可能な製品です。本記事では、Checkmkの評価版OVAを使用し、Windows PC上のVirtualBoxに検証環境を構築する手順をご紹介します。
はじめに
「Checkmkを一度試してみたいけれど、環境を用意するのが難しそう…」
そんな方にお勧めなのが、Checkmkの評価版のOVAファイルを使用した検証です。Windows PC上のVirtualBoxに検証環境を構築する手順をご紹介します。OVAファイルをVirtualBoxに取り込むだけなので、Linuxサーバーから構築する必要はもちろんありません。PCにVirtualBoxだけあれば、Checkmkを手軽に試すことができます。
今回はCheckmkのインストールから初期設定、監視対象の登録、監視開始までを、初心者の方でも進められるよう順番に解説します。「まずはCheckmkを触ってみたい!」という方は、ぜひ実際に検証環境を作成してみてください。
検証前に確認したいこと
本記事では、Checkmkお試し利用のための検証環境としてVirtualBoxを使用するため以下の構成で進めます。本番環境の利用を想定した構成ではないためご留意ください。
仮想マシンの動作環境
- VirtualBoxが動作するWindows PC
- Checkmk仮想マシンが使用するリソース
- CPU:4コア以上、RAM:8GB、ディスク容量:100~120GB程度
- ネットワーク設定: 「ブリッジアダプター」が設定可能なこと
上記は、少量のホストを監視する検証環境を想定した、最低の動作環境の目安です。監視するホスト数やサービス数、利用する機能によって必要なリソースは変わりますので、推奨環境についてはホームページのシステム要件をご確認ください。
OVAファイルについて
今回使用するOVAには、Checkmkの仮想アプライアンスとして必要な環境が含まれています。JTCのダウンロードページより以下のファイルをダウンロードしてください。①②をセットで使用します。
- Checkmk VA①OVA
- Checkmk VA②ソフトウェア
本記事の検証環境について
本記事では以下の環境、バージョンを使用します。
- OS:Windows11
- VirtualBox:VirtualBox-7.2.16
- OVA:virt1-1.7.22.ova
- ソフトウェア:check-mk-ultimate-2.5.0p12-4-x86_64.cma
※OVA/ソフトウェアはJTCダウンロードページよりダウンロード済。2026年9月公開時点のバージョンとなります。
VirtualBoxにOVAをインポート
仮想アプライアンスのインポートを行います。ソースのファイルにダウンロードしたOVAファイルを指定してください。

設定タブを開き、各種設定を行います。

- 名前:任意で変更可能.今回は「Checkmk_test」としました。
- 仮想マシンの基本フォルダ:データ保存先。任意で変更可能
- MACアドレスのポリシー:「すべてのネットワークアダプターでMACアドレスを生成」に変更
選択後は「完了」ボタンでインポートが始まります。
インポートが完了したら、画面左の「仮想マシン」ボタンをクリックし一覧を表示、先ほどインポートしたOVAファイル「Checkmk test」を選択し、上の「設定」ボタンを確認します。

次にリソースを調整します。最低動作環境は以下の通りですが、必要なところは追加して設定してください。
CPU:4コア以上、RAM:8GB、ディスク容量:100~120GB程度
一般>システム>マザーボードタブから「メインメモリー」を確認し、8GB以上に調整

一般>システム>プロセッサータブでCPUコア数を4以上に調整

特に問題なければ、OKボタンをクリックします。以上でOVAのインポートは完了です。
Checkmk仮想マシンの起動と初期設定

今追加したCheckmk testを選択し、「起動」ボタンをクリックします。起動すると、黒い画面が茶色の画面に変化し、「Checkmk virt1 Mark I Console」の設定画面が表示されます。各種設定を順番に行ってください。十字キーで移動、スペースキーで項目選択、Enterキーで完了です。
言語設定

「1 English」をスペースキーで選択し、<OK>でEnterキー

注意事項が出てくるので、<Yes>でEnterキーを押下し数分待機します。数分後、図9の画面になれば、完了です。こちらがOVAの初期画面です。

右上のIP-Addr.の欄が空になっており、その他も赤字で「off」になっているので、これらを全て「on」に変更していきます。キーボードで「F1」キーを押下すると、ネットワーク設定へ進みます。
ネットワーク設定
Basic Configurationを上から順に実施していきます。
Network Configurationにカーソルを合わせ、Enterキー(図10)

IPアドレスを入力します。(図11)<OK>に合わせた状態でEnterキーを押下すると、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイも続けて入力画面が出てくるので順番に設定してください。

仮想マシンパスワード設定
次にDevice Passwordを選択します。このパスワードは、この仮想マシンのコンソールログイン、WebGUI管理画面のパスワード、Linuxのrootパスワードとして設定されます。必ず覚えておいてください。

キーボード配列が「US」になっていますので、”@”や”-“などの記号を使用しないことをお勧めします。

WebGUI接続の許可
Web Configurationを選択します。ここでは、ウェブ画面からの接続の許可設定を行います。

Enableをスペースで選択し、Enterキーを押下します。

コンソールログインの許可
Console Login、も同様にEnableを選択し許可してください。


コンソールへのSSH接続の許可
こちらも同様にEnableを選択します。


この設定ではパスワードを求められますので、先ほど「1 Device Password」で設定したパスワード文字列を入力します。

SSHでのrootアクセス許可
rootユーザーでのアクセス許可を設定します。

こちらも同様にEnableを選択し、パスワードを入力して設定を完了させてください。


以上ですべての設定が完了です。右下の< Back >にカーソルを合わせEnterキーを押下します。

最初の画面に戻りました。(図25)この画面で、空だったIPアドレスが設定され、アクセスやステータスが全て緑の「on」になっているかどうか確認してください。

以上で、仮想マシンの設定は完了です。
WebGUIでCheckmkサーバーの初期設定
仮想マシンの設定が完了したら、Checkmkサーバーの初期設定を行います。ブラウザで「http://IPアドレス」を開き(図26)、WebGUIの管理画面へログインします。
パスワードは先ほど仮想マシンに設定した「Device Password」です。

図27の画面がログイン先のMain Menu画面になります。まずは「Device settings」をクリックし、ネットワークやメールサーバーの設定を行いましょう。

項目名をクリックして、必要な項目を変更します。必須で変更が必要なところは図28赤枠の項目です。その他の項目については、必要に応じて設定してください。

- Timezone :日本の場合はリストから「Asia/Tokyo」を選択
- DNS Servers :DNSサーバーのIPアドレスを設定
- Outgoing emails :リレーするメールサーバーを入力(図29)

「Save and applyボタンで」登録が完了したら、図27のMain Menu画面に戻り、「Checkmk versions」をクリックします。
「ファイルの選択」ボタンをクリックし、ダウンロードしたcheckmkファイル(ソフトウェア:check-mk-ultimate-2.5.0p12-4-x86_64.cma)を選択します。(図30)

緑のボタンをクリックするとCheckmkのインストールが始まり、数分で「Successfully」のメッセージと「Installed versions」としてソフトウェアのバージョンが確認できます。

Main Menu画面に戻り、「Site management」ボタンをクリックします。まだ何も作成されていないので、「Create New Site」のボタンから新しい監視用のWebサイトを作成していきます。

- Unique site ID :任意のサイト名。URLの一部になります。(例: http://IPアドレス/サイト名)
- Version :先ほどインストールしたバージョンを選択
- Login for the administrator :管理者。デフォルト名のまま変更しない
- Password for the administrator :監視サイトの管理者のログインパスワードを設定
- Autostart :作成後すぐに起動する
- Enable processing of external messages(Event Console):syslogやSNMPトラップを受信したい場合はチェック
- Enable login via SSH :チェック有効
以上は必須設定です。残りは必要があれば設定してください。左下の「Create Site」ボタンで作成がスタートします。完了すると、以下の「Site management」画面に遷移します。

この時、右側のSTATUS欄が赤「running」以外になっている場合はサーバーが正しく起動していません。running以外になっている場合は、右側のCONTROL欄の「start」ボタンをクリックして、サーバーを再起動してください。
runningになっていることが確認できたら、図33左側の家のマークのボタンをクリックすると、監視サイトにアクセスできます。

図24で入れるユーザー名とパスワードは、図32の画面でサイトに設定したログインパスワードです。また、評価版のため「30日の無料トライアル」であるカウントダウンが表示されています。
ログインしたら、左下の「User」メニューをクリックし、「Edit profile」をクリックしてください。(図35)

日本語表記やメニューの表記を変更します。

- Language:「Japanese」に変更
- Mega menu Icons:「Per entry」に変更
- Show more / Show less:「Set custom show mode」「Enforce show more」に変更
変更したら「Save」をクリックします。図37のように画面が日本語に更新されれば初期設定は完了です。

監視設定参照記事
以上の手順で、Checkmkの検証環境の構築が完了です。
ここからは、監視対象を登録する作業になります。ユーザーガイドやブログの記事をご確認いただき、ネットワーク機器やサーバーなどの監視対象を登録して監視をスタートしてみてください
ブログ
ユーザーガイド
ユーザーガイドリンク
- 「7 監視準備」~「8 フォルダ」:監視用語や表示の解説、フォルダの概念・作成方法
- 「9 ホスト」:ホスト(監視対象機器)の登録方法
- 「10 エージェント」:サーバーのエージェント監視を行う場合の登録方法
- 「11 サービス」:サービス(監視項目)の取得方法
まとめ
今回はCheckmkの評価版OVAファイルを使って、VirtualBoxに検証環境を構築する方法をご紹介しました。OVAファイルを使用すれば、サーバー環境を一から構築することなく、Checkmkを手軽に試すことができます。VirtualBoxが動作するWindows PCなどがあれば、まずは検証環境を作って、Checkmkの基本的な監視機能を実際に体験できます。
「Checkmkが自分の環境に合うか確認したい」、「まずは操作感を試したい」という方は、ぜひ今回の記事を参考に検証環境を作り、身近な機器を登録してCheckmkを体験してみてください。


