【Checkmk ビギナーズガイド】(1)Windows, Linuxのエージェント監視

Checkmkビギナーズガイドでは、インストール後に監視をはじめる手助けとなる設定をご紹介します。第1回~第4回にわけ、監視対象ごとの監視方法やお役立ち情報を解説していきますのでぜひご覧ください。

文:ジュピターテクノロジー とぐち

ブログの最後に、【ビギナーズガイド】関連のリンクを掲載しています。

Checkmkエージェントとは?

Checkmkの監視方法は、4つの種類があります。

  • Checkmkエージェント
  • SNMPエージェント
  • Specialエージェント
  • アクティブチェック

本日ご紹介する監視方法は、Checkmkエージェントを使った監視です。

監視システムが監視対象の情報を知るためには、なんらかの仕組みが必要です。Checkmkは様々なOSに対応する独自のエージェントをもっており、Checkmkサーバーからの問合せを受けて、監視対象の情報を提供する役割を担っています。

CheckmkはWindowsやLinuxのような一般的なものから、Solaris, AIXといった様々なOSをサポートしています。

監視対象によりエージェントが不要な場合もありますが、それは使用可能なエージェントがすでに存在しているためです。のちの記事でも触れる予定ですが、SNMPによる監視がそれにあたります。ネットワーク機器などにはSNMPエージェントが組み込まれているため、特殊なエージェントをインストールする必要がありません。

本記事では、WindowsとLinuxの登録方法を取り扱います。監視対象登録→エージェントインストール→監視項目取得の一連の流れと、エージェント有無によるサービス数の違いをご紹介したいと思います。

※Checkmkでは監視対象を「ホスト」として、監視項目を「サービス」として登録し監視します。

手順1 ホスト登録

ホストの登録手順はWindowsもLinux同じ手順です。Setup > “Hosts” > Hosts > Add host から行います。フォルダを作成している場合は、任意のフォルダ内で「Add host」ボタンをクリックしてください。

図1

図2の画面が表示されたら、以下の設定内容を入力してください。

図2
Basic setting > Hostname
  DNSで名前解決できる環境であれば、そのホスト名を入力してください。
  ホスト名は途中でも変更することが可能ですが、変更の影響範囲が大きくなります。
  大文字と小文字は区別しますのでご注意ください。

Network address > IPv4 address
  ホスト名がDNSで解決できない場合は、ホストのIPアドレスを入力してください。
  複数のIPアドレスを入力することも可能です。

Monitoring agents > Checkmk agent / API integrations
  後でCheckmkエージェントを設定するので、
  「Configured API integrations and checkmk agent」を選択してください。

Monitoring agents > SNMP
  ネットワーク機器ではないため、「No SNMP」を選択してください。

ネットワーク機器ではないため、「No SNMP」を選択してください。ここまでの作業を一度保存して、疎通テストを行いましょう。保存には図3のように3種類のボタンが用意されていますが、疎通テストも行うことができる「Save & go to connection tests」を選択します。

図3

図4の画面に遷移します。まだエージェントをインストールしていないため、”Ping”の欄のみ緑になっていれば疎通は成功です。(エージェントインストールが完了している場合は、”Agent”欄も緑になります。)画面右上の”X change!”をクリックしてください。

図4

図5の画面が開きますので、左上赤枠の”Activate on selected sites” をクリックしてください。ホストアクティベーションを開始し、変更が適用されます。これでホストの登録は完了です。

図5

ここまでは、LinuxもWindowsも同様の手順です。次に、エージェントが登録されていない状態で、サービスを取得してみましょう。以降で説明する<管理:サービス取得画面>と、<監視:サービス一覧画面>を使って、それぞれの見え方を確認していきます。

手順2 サービス登録・取得

Windowsエージェントなしの場合

<管理:サービス取得画面>

左側のメニューから、 Setup > “Hosts” > Hosts をクリックすると登録したホストの管理画面が表示されます。図6赤枠のボックスアイコンをクリックしてください。

図6

エージェントがインストールされていないため、何も取得できません。

図7

<監視:サービス一覧画面>

左側メニューから、 Monitor > “Overview” > All hosts をクリックすると登録したホストが表示されます。対象のホスト名をクリックし、登録されているサービス一覧を確認します。図8の画面が開き、2つのサービスを確認することができます。

図8
  • 「Check_MK Discovery」:エージェント有無を確認するサービス
  • 「PING」:死活監視のサービス

この2つはエージェントが存在しない場合にデフォルトで登録されるサービスです。(※削除することも可能ですが、1ホストに1サービスは必ず存在する必要があります。)

Linuxエージェントなしの場合

<管理:サービス取得画面>

Linuxの場合、図6のWindowsと同様の方法でサービス取得画面へ遷移することができます。図9の通りエージェントがインストールされていないため、何も取得できません。

図9

<監視:サービス一覧画面>

こちらも、Windowsと同様にMonitor > “Overview” > All hosts画面を表示し、対象のホスト名をクリックして登録されているサービス一覧を確認します。

図10

図10の画面が開き、エージェント登録がない場合のデフォルト2本のサービスが登録されていることが確認できました。

手順3 エージェントのインストールとサービス再取得

それでは、Windows、Linuxそれぞれエージェントをインストールし、どのような監視項目を取得できるのか見てみましょう。※インストール方法がそれぞれ違いますので、注意してください。

Windowsエージェントありの場合

図11に展開されているように、Setup >”Agents” >Windows, Linux, AIX を選択し、エージェントの画面を開きます。

図11

図12赤枠、”MSI”をクリックしダウンロードします。

図12

Checkmkサーバーではなく、対象ホスト上にダウンロードしたエージェントパッケージを移動し、実行・インストールを完了させてください。

次に、エージェントがどのサーバー/サイトに情報を提供するのか登録を行います。こちらも対象ホスト上でコマンドプロンプトを管理者で立ち上げ、以下の通り実行してください。

> cd C:\Program Files (x86)\checkmk\service
> cmk-agent-ctl.exe register –H <監視ホスト名> –s <サーバー名orサーバーIPアドレス> -i <監視サイト名> -U <管理者ユーザー>

監視ホスト名は、必ずChekckmkに登録している名前と一致するホスト名を入れてください。実行すると、実行確認と管理者ユーザーのパスワード入力を求められます。入力し、[Enter]を押してください。

Do you want to establish this connection? [Y/n]
> Y
Please enter password for ‘<管理者ユーザー>’
> <管理者ユーザーのパスワード>

コマンドを実行した画面が図13です。

図13

図13まで完了したら、エージェントのステータスを確認します。以下コマンドを実行し、登録したCheckmkサーバーが表示されていれば問題なく登録が完了しています。

> cmk-agent-ctl.exe status
図14

<管理:サービス取得画面>

エージェントのインストールと登録が完了したら、図6と同様の方法でサービス取得画面へ遷移します。Checkmkエージェントが正しくインストールされていれば、自動で監視対象とするサービスが列挙されます。(10~20程度)

図15

全サービスを登録しますので、”Fix all”をクリックします。画面右上の”X change!” をクリックし、変更を適用します。図5と同様、”Activate on selected sites” を押してください。”success”と表示されれば、サービスの登録は完了です。

<監視:サービス一覧画面>

こちらも、インストール前と同様にMonitor > “Overview” > All hosts画面を表示し、対象のホスト名をクリックして登録されているサービス一覧を確認します。

図16

先ほど登録した全てのサービスを、モニター画面のサービス一覧でも確認することができました。

Linuxエージェントありの場合

図17に展開されているように、Setup >”Agents” >Windows, Linux, AIX を選択し、エージェントの画面を開きます。

図17

図18赤枠、”DEB”をクリックしダウンロードします。ダウンロードしたエージェント・パッケージファイル([FILE].deb)は、WinSCP等でCheckmkサーバーに転送してください。

図18

Checkmkサーバーから監視対象ホストの任意ディレクトリにエージェント・パッケージを移動したら、次のコマンドでインストールを実行します。監視対象ホスト上で行ってください。

$sudo dpkg –i [FILE].deb

次に、エージェントがどのサーバー/サイトに情報を提供するのか登録を行います。こちらも対象ホスト上で、以下の通り実行してください。

$ sudo cmk-agent-ctl register –H <監視ホスト名> –s <サーバー名orサーバーIPアドレス> -i <監視サイト名> -U <管理者ユーザー>

監視ホスト名は、必ずChekckmkに登録している名前と一致するホスト名を入れてください。実行すると、実行確認と管理者ユーザーのパスワード入力を求められます。入力し、[Enter]を押してください。

Do you want to establish this connection? [Y/n]
> Y
Please enter password for ‘<管理者ユーザー>’
> <管理者ユーザーのパスワード>

コマンドを実行した画面が図19です。

図19

図19まで完了したら、エージェントのステータスを確認します。以下コマンドを実行し、登録したCheckmkサーバーが表示されていれば問題なく登録が完了しています。

$ sudo cmk-agent-ctl status
図20

図20のように、登録サイトなどの画面情報が表示されれば、正常に動作しています。以上でLinuxのエージェント登録は完了です。それでは、インストール前と同様の手順でサービスの取得内容を見ていきましょう。

<管理:サービス取得画面>

Linuxの場合、図6のWindowsと同様の方法でサービス取得画面へ遷移します。Checkmkエージェントが正しくインストールされていれば、自動で監視対象とするサービスが列挙されます。(20~30程度)

全サービスを登録しますので、赤枠の”Fix all”をクリックします。画面右上の”X change!” をクリックし、変更を適用します。図5と同様、”Activate on selected sites” を押してください。”success”と表示されれば、サービスの登録は完了です。

<監視:サービス一覧画面>

こちらも、Windowsと同様にMonitor > “Overview” > All hosts画面を表示し、対象のホスト名をクリックして登録されているサービス一覧を確認します。

先ほど登録した全てのサービスを、モニター画面のサービス一覧でも確認することができました。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

Checkmkエージェントをインストールすることで、死活監視だけでなく、さらに多くの情報を取得・監視することができます。自動取得したサービスを今回は全て監視対象に追加しましたが、取捨選択し必要なものだけ監視することも可能です。

また、自動で取得できない項目についても、1800を超える種類の公式プラグインを使って拡張することができるため、自由に監視項目を追加・変更することができます。カスタム方法はまた後日ご紹介予定です。現在Checkmkでは11種類のOSエージェントを提供しており、Webインターフェイスから簡単にダウンロードすることができます。

何か気になることやご要望があれば、下記のお問合せフォームよりご相談ください。

【ビギナーズガイド】リンク

投稿済のビギナーズガイドをまとめています。ぜひこちらもご参照ください。

お問い合わせ

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