この記事では、ネットワーク監視ソフトウェア「PRTG Network Monitor」(以下、PRTG)を使用して、 ヤマハ株式会社のルーター「RTX830」、L2スイッチ「SW2310」を監視する方法を紹介します。
自動検出を利用することで、Ping死活、ポートの帯域使用状況、リソース(CPU、メモリ)をかんたんに監視できます。
文:ジュピターテクノロジー やすだ
※本記事に掲載されている商品名・サービス名などは、各社の商標または登録商標です。
PRTGでヤマハ「RTX830」、「SW2310」を監視するメリット
自動検出でかんたんに監視
必要な監視を自動検出するための「デバイステンプレート」を当社で用意しました。
このテンプレートを使用して自動検出を実行すると、以下の監視をすぐに開始できます。
・Ping死活監視
・ポートの帯域使用状況
・稼働時間
・リソース(CPU、メモリ)
その他の機器もまとめて監視
PRTGでは、「RTX830」、「SW2310」に限らず、マルチベンダー環境のネットワーク機器やサーバーも一元的に監視でき、運用負荷の軽減が可能です。
PRTG監視画面の例(標準センサー)
PRTGはセンサー(定義済みの監視テンプレート)を用いて監視を行います。
ここでは、自動検出で追加されるセンサーのうち、PRTGに標準搭載されているものを紹介します。
「Ping v2」センサー
Pingの応答を監視するセンサーです。応答がなくなると、センサーはダウン(赤)となり、アラート状態になります。
応答時間やパケット損失率も収集し、時系列グラフやテーブルで表示します。

「SNMP トラフィック」センサー
ポート(インターフェイス)ごとの帯域幅の使用状況を監視するセンサーです。使用状況(Mbit/秒)を1分間隔で収集し、365日分を保存します(デフォルト設定)。
しきい値監視や、リンクダウンした際にアラート状態にすることもできます。
収集したデータは、時系列グラフやテーブルで表示できます。


トラフィックセンサーの詳細や活用方法についてはこちらのブログもご覧ください。
【まとめ】PRTG Network Monitorでトラフィック監視・見える化・可視化する方法(SNMP/xFlow/Speedtest)
「SNMP システムアップタイム v2」センサー
連続稼働時間を監視するセンサーです。再起動したタイミングを確認できます。

PRTG監視画面の例(カスタムセンサー)
標準センサーでは取得できないCPU・メモリ使用率は、プライベートMIB(ベンダー固有のSNMP情報)をもとにカスタムセンサーを作成する必要があります。
本記事では、自動検出によりカスタムセンサーも自動的に追加します。
CPU(SNMP カスタムアドバンスト・カスタムテーブルセンサー)
CPU使用率を%で監視します。各チャネル(センサー内の詳細項目)ごとに、直近1秒や直近1分の平均など、複数の指標でCPU使用状況を確認できます。
RTX830ではCPUごとに、それぞれセンサーにしています。

メモリ(SNMP カスタムセンサー)
メモリ使用率を%で監視します。

参考:カスタムセンサーで使用したMIB
本記事で紹介したカスタムセンサーは、ヤマハのMIBファイルをもとに作成しています。使用したMIBは以下のとおりです。
- RTX830:
yamaha-rt-hardware.mib - SW2310:
yamaha-sw-hardware.mib
なお、本手順ではMIBを意識することなく監視を開始できます。
また、「RTX830」、「SW2310」以外でも、同MIBを実装している機種であれば同様に監視できます。
設定方法
PRTGで監視するために、SNMP機能を有効化します。今回はSNMPのバージョンは「SNMP v2c」で設定します。
RTX830の設定
RTX830はコマンドライン(CLI)から設定可能です。
次の設定を追加します。
snmpv2c host any
snmpv2c community read-only public
SW2310の設定
SW2310はWeb管理画面またはコマンドライン(CLI)から設定可能です。
本記事ではWeb管理画面で設定します。
・「SW2310」の管理画面にアクセス
・管理>SNMP>コミュニティー、へ移動
・「新規」をクリック
・以下の内容で設定
- コミュニティー名:「public」を入力
- アクセスモード:「ReadOnly」を選択
・「確認」をクリックし、入力内容の確認画面で「設定の確認」をクリック


「PRTG」の設定
PRTGのインストール
PRTGにはトライアル版・フリー版もあります。
未インストールの場合は、以下の記事を参照してください。
PRTG Network Monitor – 100センサーフリー版で無料ネットワーク監視
「デバイステンプレート」の準備
自動検出でかんたんに監視するため、必要なファイルを準備します。
デバイステンプレート(自動検出の設定ファイル)を使用します。
当社カスタマーポータル、または、こちらの当社お問い合わせページより、「RTX830用PRTGデバイステンプレート希望」または、「SW2310用PRTGデバイステンプレート希望」と記載のうえご連絡ください。
※テンプレートの利用は自由ですが、不具合や問い合わせ対応は商用版PRTGご購入者様に限ります。
SNMP資格情報の設定
SNMPで監視するために、SNMP資格情報(SNMPバージョン、コミュニティ名)を設定します。
PRTGは階層構造で設定を管理します。最上位のオブジェクト「Root」に設定することで、下位のオブジェクトに設定を継承します。
ここでは「Root」にSNMP資格情報を設定します。
・PRTGのGUIにログイン
・メインメニュー「デバイス」タブをクリック
・「設定」タブをクリック

項目「SNMPの資格情報」を設定
ここでは、機器側設定と同様に「v2c」「public」を設定(デフォルトの設定)して保存します。

自動検出
PRTGは監視対象機器を「デバイス」オブジェクトとして登録し、デバイスに「センサー」を追加して監視をしていきます。
「デバイステンプレート」を使用してセンサーを自動検出します。
デバイステンプレートの読み込み
PRTGをインストールしたサーバー/PCの所定のパスに、入手したデバイステンプレートをコピーします。
デバイステンプレートファイル:
- RTX830:
YAMAHA RTX830.odt - SWX2310:
YAMAHA SWX2310.odt
コピー先パス:
C:\Program Files (x86)\PRTG Network Monitor\devicetemplates
監視対象デバイスの追加
PRTGは監視対象機器をデバイス(監視対象)として追加して監視を行います。
「RTX830」、「SW2310」の管理IPアドレスをPRTGのデバイスとして追加します。
・PRTGのGUIにログイン
・「+」アイコン|「デバイスの追加」をクリック

・デバイスを登録する場所を選択して「OK」をクリック

・「新規デバイスの追加」画面で以下を入力して「OK」をクリック
デバイス名:<任意のデバイス名>
IPV4 アドレス/DNS 名:<「RTX830」または「SW2310」の管理IPアドレス>


SNMP 互換性オプションの設定 ※RTX830のみ
RTX830のみ、32ビットカウンターを指定して監視する必要があります。
32ビットカウンターを指定しない場合、「SNMP トラフィック」センサーは追加できません。
これは、本記事執筆時点では、RTX830がセンサーで使用する64ビットカウンター用OIDの一部をサポートしていないためです。※RTX830以外の機種でも、「SNMP トラフィック」センサーのみ追加できない場合は、本設定をお試しください。
追加したRTX830のデバイスで次の設定を行います。
・追加したRTX830のデバイスをクリック
・「設定」タブをクリック
・「SNMP 互換性オプション」の「引継ぎ元」のチェックを外す
・「32 ビット/64 ビットカウンター」で「32 ビットカウンターのみを使用」をチェック
・「保存」をクリック
※「引継ぎ元」のチェックを外すため、Rootオブジェクトなど上位オブジェクトで設定した「SNMP 互換性オプション」(ポート名テンプレートなど)は継承されなくなります。必要に応じて、このデバイスにも同じ設定を行ってください。


自動検出の実行
追加したデバイスに対し、デバイステンプレートを使用した自動検出を実行します。
・追加したデバイスを右クリック
・自動検出>テンプレートを使用して自動検出を実行する をクリック

・「次のテンプレートを使用して自動検出を実行する」画面で、デバイスの機種にあわせて「YAMAHA RTX830」または「YAMAHA SWX2310」をチェック
・「OK」をクリック

自動検出が始まり、センサーが追加されていきます。


しきい値(制限値)が未設定のCPUやメモリのセンサーには、必要に応じてしきい値を設定できます。以下の資料をご参照ください。
まとめ
PRTGでは、ヤマハのルーター「RTX830」、L2スイッチ「SW2310」をかんたんに監視できます。
当社が提供するデバイステンプレートを使用することで、専門知識がなくてもすぐに監視を開始できます。
PRTGは、ネットワーク機器、サーバー、仮想環境、クラウドまで一元的に監視できます。
トライアル版・フリー版も提供されていますので、導入検討の際に活用できます。
オールインワンネットワーク監視PRTGをぜひお試しください。


