【SolarWinds NCM】マクニカフィネッセカンパニー様 ホワイトボックススイッチ(ネットワークOS:OcNOS)でコンフィグダウンロード、コンフィグ変更する

文:ジュピターテクノロジー のだ

はじめに

SolarWinds Orionプラットフォーム製品の1つであるNCM(Network Configuration Manager)
はネットワーク機器の設定情報(コンフィグ)を管理することを主な目的とした製品です。
ネットワーク機器の定期的な設定情報の自動バックアップ、コンフィグの世代管理、コンフィグスケジュール変更、コンフィグ変更時の自動通知、などコンフィグ管理の自動化が可能です。

NCMはSSHやTELNETなどのターミナルソフトでの操作を自動化するツールなのでネットワークベンダー機器の他にもいろいろなデバイスを対象とすることができます。

今回、マクニカフィネッセカンパニー(以降マクニカ)様のご協力のもとホワイトボックススイッチをNCMでコンフィグ管理(ダウンロード)、設定変更を検証する機会がありましたので概要を紹介いたします。
ホワイトボックススイッチは最近はやり出しているオープンネットワーキング対応の機器でネットワークOS、スイッチ本体、光モジュール を別々のベンダーで自由に組み合わせることができます。

     Open Networkingとは? マクニカ (macnica.co.jp)


ホワイトボックススイッチであってもSSH,TELNETなどで操作できる機器であれば、従来のネットワーク機器と同じようにNCMでコンフィグ管理、設定変更等が可能です。

検証環境

Fig1が検証環境です。
マクニカ様の環境にSolarWinds NCMサーバーを構築しました。
対象機器のハードウェアはAS7326-56X(Edgecore製)です。

ネットワークOSは OcNOS と SONiC の2つを入れて確認しました。
本ブログは OcNOS 検証時のナレッジ紹介となります。

Fig1


今回はマクニカ様のリモート検証サービスを利用しました。

 マクニカ ネットワークOS リモート検証サービス – 株式会社マクニカ (macnica.co.jp)

マクニカ様が提供するリモート検証サービスでは外部からVPNを通してマクニカ様環境に接続できます。
今回は外部端末からVPN経由でSolarWindsサーバーに接続し各種設定、確認を行いました。

OcNOSについて

OcNOSのサイトの説明では『主要ネットワーク機器ベンダーのオープンコンピュートプラットフォームのポートフォリオ全域にわたり動作する単一のソフトウェアイメージを使用しています。』とあります。結果からすると今回設定したCLIコマンドはCisco IOSに近いものでした。

OcNOS コンフィグダウンロード

それではNCMでOcNOSのコンフィグダウンロード(runningコンフィグ)するまでの手順を示します。おおまかな手順としては下記となります。

  • 接続プロファイルを作成する。
  • デバイステンプレートを作成する。

コンフィグダウンロード(runningコンフィグ)設定に必要な情報は下記4つです。

  • ログインアカウント情報(ユーザー名、パスワード、有効化パスワード)
  • コマンドプロンプトで使われる特殊文字
  • runningコンフィグを表示するコマンド
  • showコマンドでページ表示になる場合のターミナルサイズリセットコマンド

まずはログインアカウント情報を元に接続プロファイルを作成します。
ユーザー名、パスワード、有効化パスワードを設定します。
(有効化パスワードは必要に応じて設定します)

Fig2


次にターミナルソフトで実機に接続してコマンドプロンプトを確認します。
OcNOSで稼働しているAS7326にSSHで接続します。

Fig3


まず赤矢印の行で ”AS7326-A>”となります。(ユーザーEXECモード)
プロンプトの特殊文字は ”>” です。
ここで”enable”入力で特権EXECモードにします。
(特権EXECモード移行へのpwd(有効化パスワード)を ”enable” で設定)
プロンプトが”AS7326-A#”になります。 特殊文字は ”#” となります。
このあたりはCisco IOSと同じです。
NCMでは ”>” または ”#” のいづれかをコマンドプロンプトとして認識しますのでプロンプトに関しては特に追加設定は不要です。

runningコンフィグを表示するコマンドは show running-config です。

show running-config でコンフィグ表示するとページ毎の表示になりました。
ターミナルサイズリセットコマンドにはCisco IOS系と同じく terminal length 0 が必要でした。

ではこれらの情報を元にデバイステンプレートを作成します。
今回はrunningコンフィグダウンロードに必要最低限の設定を行います。

デバイステンプレートはゼロから作ることもできますが、最も体系的に近い既存のテンプレートをコピー/編集した方が効率的です。今回はCisco IOSをコピーして編集します。

Fig4

テンプレート名を編集します。OcNOS

Fig5

コピーしたデバイステンプレ―トをインターラクティブウィザードで編集します。
一般的なデバイスアクセスの画面ではリセットコマンド terminal length 0 が入っているか確認します。
(Cisco IOSテンプレートでは terminal width 0 と terimnal length 0  が入っています)


コンフィグのダウンロード画面ではRunnnigコンフィグファイル名を設定します。
running-config
ダウンロードテストを実行して成功すれば”次へ”をしてデバイステンプレートを保存して終了します。

Fig7

ここまでがrunningコンフィグのダウンロード設定の手順ですが、ベースであるCisco IOSテンプレートからrunningコンフィグ名を running → running-config に変更したくらいでした。
startupコンフィグもファイル名変更だけで設定できます。

接続プロファイル、デバイステンプレートが完成すれば、あとはNCMのジョブで定期的にコンフィグダウンロードさせることでコンフィグ管理、世代管理を行うことができます。

このようにOcNOSではCisco IOSと非常によく似たコマンドだったため非常に簡単に設定が行えました。

OcNOS コンフィグ設定変更

コンフィグ設定変更はNCMのジョブで行います。(タイプは”デバイスでコマンドスクリプトを実行”)
ここではインターフェイスのスピードを変えるジョブを設定してみます。
インターフェイス ce50 のスピードを100Mbpsにする例です。
スクリプト内容を見るとCisco CLIと非常によく似たスクリプトになってます。
このように非常に簡単に設定変更ジョブを作成することができました。 

Fig8

さいごに

今回はネットワーク統合監視アプリケーションSolarWinds社 Network Configuration Manager(NCM)によるホワイトボックススイッチ ネットワークOS:OcNOS)をコンフィグダウンロード、コンフィグ変更する例を紹介しました。

NCMはSolarWinds社Orion プラットフォームの1製品です。NCMには今回紹介した以外にもたくさんの機能があります。Orion プラットフォームにはNCM以外にもいくつかの製品があります。下記にOrion プラットフォーム製品についての紹介ページがあります。

NCM:Network Configuration Manager
NPM:Network Performance Monitor  
NTA:Network Traffic Analyzer 

また下記はOrionプラットフォーム製品ではありませんがデバイスの検出とネットワーク構成図の作成を自動化する Network Topology Mapper(NTM)の紹介ページです。

NTM:Network Topology Mapper

SolarWinds社の製品にご興味のある方は、以下のリンクから弊社までお問い合わせください! 

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