この記事では、ネットワーク監視ソフトウェア「PRTG Network Monitor」(以下、PRTG)を使い、ネットワーク機器の各ポート(インターフェイス)ごとの帯域幅使用状況を使用率(%)で監視・可視化する方法を紹介します。
前回の記事「ネットワークアセスメント入門:「PRTG」で帯域幅を見える化」の応用編として、本記事では以下の内容を取り上げます:
- 使用率(%)による監視方法
はじめに
PRTGはネットワーク機器のポート(インターフェイス)ごとの帯域幅使用状況をかんたんに監視・可視化できます。
この記事は「ネットワークアセスメント入門:「PRTG」で帯域幅を見える化」の応用編です。
ここでは、帯域幅を使用率(%)で監視する方法を紹介します。
最初に「ネットワークアセスメント入門:「PRTG」で帯域幅を見える化」をお読みいただくことをおすすめします。
帯域幅を使用率(%)で監視
PRTGでは、帯域幅の使用状況はデフォルトで「Mbit/秒」で監視されます。
しかし、最大帯域幅(リンクアップ速度)に対する使用率(%)で監視することも可能です。
環境によっては、使用量そのものよりも使用率で監視したほうが、ネットワークの実態を正確に把握しやすい場合があります。
例えば、10Gbit/秒のポートと100Mbit/秒のポートが混在している環境では、使用率で監視するほうが帯域の逼迫状況を適切に表現できるでしょう。


チャネルごとに使用率(%)へ変更
使用率(%)での監視は、「SNMP トラフィック」センサーのチャネル単位で設定します。デフォルト設定では「合計トラフィック」、「送信トラフィック」、「受信トラフィック」の3つのチャネルがあり、それぞれで設定します。
次の手順で設定します。
- 設定するセンサーをクリックして「全般」タブに移動
- 設定するチャネルの「<歯車アイコン>(チャネル設定)」をクリック

- 「チャネルの編集」画面の「データ」で「「最大値(%)」で表示」をチェック

「最大値 (Mbit/秒)」にはリンクアップ速度(最大帯域幅)が自動入力されます。

【ヒント】:「合計トラフィック」チャネルは、送信・受信チャネルを合算したものです。そのため、1,000Mbit/秒でリンクアップしているポートの場合は2,000Mbit/秒が自動で入力されます。
- 「OK」をクリックして保存
すべてのチャネルで同じ操作を繰り返します。なお、この操作は複数のセンサーに対してまとめて変更する方法もあり、後ほど紹介します。

【ヒント】プライマリチャネルとそれ以外チャネルで単位が異なる場合、グラフの縦軸は左側にプライマリチャネルの単位、右側にそれ以外のチャネルの単位が表示されます。
グラフの縦軸の最大値を100%で固定する
PRTGでは、グラフの縦軸は表示される値によって自動的に調整されます。
例:計測した最大値が60%の場合、グラフの縦軸の最大値はおよそ70%になります。

必要に応じて、縦軸の最大値を100%に固定することができます。
次の手順で設定します。
- 設定するセンサーをクリックして「全般」タブに移動
- 設定するチャネルの「<歯車アイコン>(チャネル設定)」をクリック

- 「チャネルの編集」画面の「縦軸目盛り設定」で「目盛り手動設定」をチェック
- 「縦軸最大値 (%)」に「100」を入力
- 「縦軸最小値 (%)」に「0」を入力

- 「OK」をクリックして保存
すべてのチャネルで同じ操作を繰り返します。なお、この操作は複数のセンサーに対してまとめて変更する方法もあり、後ほど紹介します。

【ヒント】プライマリチャネルとそれ以外チャネルで単位が異なる場合、グラフの縦軸は左側にプライマリチャネルの単位、右側にそれ以外のチャネルの単位が表示されます。
複数のセンサーのチャネルをまとめて変更する
ここまで紹介した設定変更は、「マルチ編集」機能を使うことで、複数のトラフィックセンサーに対して一括で行うことができます。
次の手順で設定します。
- メインメニューから「センサー」>「タイプ別」>「S…」>「SNMP トラフィック」をクリックして一覧画面に移動

- 右上のチェックボックスをチェックしてすべてのセンサーを選択

【ヒント】1ページに表示されるセンサー数は50個です。右上の「項目:」で変更できます。

【ヒント】表示数が多いと、PRTGの動作が遅くなることがあります。その場合はページごとに作業を分けてください。
- 右側に表示される青いメニューバーで「<スパナアイコン>(設定)」をクリック

- 「複数のオブジェクトの編集」画面で「チャネル設定」タブをクリック

- Ctrlキーを押しながら「受信トラフィック(ID 0)」と「送信トラフィック(ID 1)」を選択

【ヒント】「「合計」トラフィック(ID -1)」は同時に選択できません。
【ヒント】センサー数が多い場合、次のメニューが表示されるまで時間がかかることがあります。
- 「データ」をチェックし、「「最大値(%)」で表示」をチェック
【注意】「最大値 (Mbit/秒)」にはチェックを入れないでください。チェックするとリンクアップ速度(最大帯域幅)が自動的に反映されなくなります。

- 「縦軸目盛り設定」にチェックし、「目盛り手動設定」をチェック
- 「縦軸最大値 (%)」をチェックし、「100」を入力
- 「縦軸最小値 (%)」をチェックし、「0」を入力

【ヒント】センサー数が多い場合、反映に時間がかかることがあります。
【ヒント】センサー数が多い、または既存設定によっては「縦軸目盛り設定」が%に切り替わらない場合があります。その際は一度「データ」→「最大値(%)で表示」まで設定して保存し、改めて「縦軸目盛り設定」を行ってください。
「合計トラフィック」チャネルに対しても同じ作業を行ってください。
まとめて変更できない場合
次のような場合は、複数のセンサーをまとめて変更できないことがあります。
- リンクアップ速度(最大帯域幅)が不明のポートを選択した場合
リンクアップ速度が自動入力できず、設定を保存できません。 - チャネルのIDが一致しない場合
UIを別の言語で使用してセンサーを作成した場合、チャネルIDが変わる場合があります。
チャネルIDが一致しない場合、同一チャネルと認識されず、まとめて変更できません。
まとめ
PRTGでポート(インターフェイス)の帯域幅の使用状況を使用率(%)で監視する方法を紹介しました。
PRTGはサーバー、ネットワーク機器、仮想環境、クラウドまでを一元監視できるオールインワンソリューションです。
トライアル版やフリー版もご用意していますので、ぜひご活用ください。