Checkmkでネットワーク機器の監視をしてみましょう。設定方法はとても簡単です。ビギナーズガイドの2本目となる今回の記事では、CheckmkにCisco機器を追加し、SNMPエージェントによる監視をはじめる手順や、監視項目を実際に設定しながら確認していきます。
文:ジュピターテクノロジー とぐち
はじめに
Checkmkの監視方法は、4つの種類があります。
- Checkmkエージェント
- SNMPエージェント
- Specialエージェント
- アクティブチェック
本日ご紹介する監視方法は、SNMPエージェントを使った監視です。ネットワーク機器やアプライアンスには、SNMPエージェントが組み込まれていることがほとんどです。Checkmkでの監視の際に、WindowsやLinuxのように何か特別なエージェントをインストールする必要はありません。対象ホストの既存SNMPエージェントにアクセスし、詳細な情報を収集して表示します。
本記事では、ネットワーク機器のホスト登録からサービス取得方法をご紹介します。Ciscoネットワーク機器を登録し、どのようなサービスが取得できるか確認していきましょう。
※ホスト……監視対象、 サービス……監視項目
手順1 ホスト登録
ホストの登録手順はWindowsやLinuxホストと同じ手順です。Setup > “Hosts” > Hosts > Add host から行います。フォルダを作成している場合は、任意のフォルダ内で「Add host」ボタンをクリックしてください。
図2の画面が表示されたら、以下の設定内容を入力してください。
Basic setting > Hostname DNSで名前解決できる環境であれば、そのホスト名を入力してください。 ホスト名は途中でも変更することが可能ですが、変更の影響範囲が大きくなります。 大文字と小文字は区別しますのでご注意ください。 Network address > IPv4 address ホスト名がDNSで解決できない場合は、ホストのIPアドレスを入力してください。 複数のIPアドレスを入力することも可能です。 Monitoring agents > Checkmk agent / API integrations フォルダにあらかじめSNMP監視情報を設定してある場合は継承された設定のまま、 何も設定していない場合は 「No API integrations, no Checkmk agent」を選択してください。 Monitoring agents > SNMP 「SNMP v2 or v3」を選択してください。 Monitoring agents > SNMP credentials SNMP資格情報を入力してください。通常は「public」です。
ここまでの作業を一度保存して、疎通テストを行いましょう。保存には図3のように3種類のボタンが用意されていますが、疎通テストも行うことができる「Save & go to connection tests」を選択します。
図4の画面に遷移します。今回はSNMPエージェントのため、Ping欄と図2の「Monitoring agents > SNMP」で選択したSNMP欄が緑になっていれば疎通テストは完了です。画面右上の”X change!”をクリックしてください。
図5の画面が開きますので、左上赤枠の”Activate on selected sites” をクリックしてください。ホストアクティベーションを開始し、画面に”success”と表示されれば、変更が適用されます。これでホストの登録は完了です。
手順2 サービス取得・登録
左側のメニューから、 Setup > “Hosts” > Hosts をクリックすると登録したホストの管理画面が表示されます。図6赤枠のボックスアイコンをクリックしてください。
サービスが自動取得され、図7の画面が開きます。必要なサービスのみ追加する場合は、画面左赤枠の「+」ボタンをクリックしてください。今回は全てのサービスを追加するので、画面右赤枠の「Fix all」ボタンをクリックしてください。
図8の画面が開き、全てのサービスが登録されました。画面右上の”X change!”をクリックしてください。
ホスト登録時と同じく図5の画面が開きますので、左上赤枠の”Activate on selected sites” をクリックし、画面に”success”と表示されれば、変更が適用されます。
これでサービスの登録は完了です。
Monitorメニュー > All Hosts のホスト一覧から対象のデバイス名をクリックすると登録が完了したサービス一覧を確認することができます。Cisco機器を登録した場合、Checkmkは自動でCisco機器だと認識し、Ciscoの公式プラグインを使用してサービスを取得しています。一例として、サービス一覧でメモリーを監視しているサービスをクリックすると、Cisco用のプラグインが使用されていることがわかります。(図9赤枠参照)
Ciscoの用の公式プラグインで取得できるサービスに関しては過去の記事でご紹介しておりますので、詳細は以下リンクからご確認ください。
【Checkmkプラグイン活用】第2回 Cisco機器の監視
手順3 必須のルール設定
Checkmkでは、閾値設定などの様々な詳細設定のことを「ルール」と呼んでいます。SNMP監視には過去の記事でもご紹介した以下のルール設定がとても便利です。弊社ではこちらを必須ルール設定としてお勧めしておりますので、リンク先の記事を確認し、必ず設定してください。
この設定により、以下4つのことが実現できます。
- ネットワーク機器の各ポートにAlias/Descriptionから取得した適切な名前を付与
- ネットワーク機器がもつ全てのポートをDown/Up関わらず、監視対象に設定
- VIPsとアクセスポートを区別し、アクセスポートのDown/Upは無視、VIPsの変化は監視といった設定が可能
- ネットワーク機器全ポートの一覧表をCheckmk画面で表示(インベントリ情報表示)
いかがでしたでしょうか。1~2の手順で、ホストの登録からサービス取得までの一般的な流れを説明し、さらにネットワーク機器監視時に必須のルール設定をご紹介しました。次回の【ビギナーズガイド】更新は、VMWareのAPI監視についてご紹介します。
【ビギナーズガイド】リンク
投稿済のビギナーズガイドをまとめています。ぜひこちらもご参照ください。
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